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PT・OTがクライアントにタメ口ってありえませんよね?
理学療法士・作業療法士の対象となるクライアントは高齢者が多く人生の先輩に当たる方がほとんどです.
またわれわれの仕事がサービス業であるということを考えれば,相手が年下であっても敬語を使うのが当然だと考えられます.
一方でかたくるしいから,あえて敬語を使わないといった考えでクライアントに接している理学療法士・作業療法士も少なくないと思います.
今回は理学療法士・作業療法士のタメ口について考えてみたいと思います.
子ども扱いするような話し方していませんか?
理学療法士・作業療法士にありがちなのが,高齢者に接する際に,まるで幼い子供に話しかけるような口調で,「よくできたねー」とか「頑張ろうね」といった話し方です.
一見,愛着のある話し方にも思えますが,これってどうでしょうか?
優しく伝えようとか,やわらかい表現でといった考えでこういった話し方になるのかもしれませんが,例えば美容院で「じゃあシャワーしようね」なんて話し方をされて不快に思いませんか?
実は病院や施設の御意見箱に投じられるクレームの中で多いのが,医療従事者のクライアントに対する話し方なのです.
理学療法士・作業療法士はよかれと思っていて,クライアントもそういったやりとりに慣れていたとしても,家族や周囲の方は決して良い気持ちはしないでしょう.
自分の家族や親戚が病院や施設で子ども扱いされているとしたら,なんか馬鹿にされているのではないかといった気持ちになると思います.
タメ口は距離感を縮める?
タメ口で接する理学療法士・作業療法士の意見として多いのが,クライアントとの距離感を縮められるといった考え方があると思います.
でもこれって本当でしょうか?
実はタメ口で距離感を縮められると考えているのは,理学療法士・作業療法士をはじめとする医療従事者だけかもしれません.
もちろん理学療法士・作業療法士とクライアントとの距離感によって,より硬い敬語を使用すべき時もあれば,少しくだけた敬語を使用すべき時もあると思います.
でも距離感を縮めるといった目的でタメ口で話す必要はありません.
人生の先輩であり,サービスを提供させていただくクライアントに対しては敬意をもって接するのが当然だと思います.
時代を考えましょう
考えてみてください.
もし理学療法士・作業療法士がタメ口でクライアントと接している場面を動画撮影されていて,それがSNSで拡散されたらどうでしょうか?
そのタメ口で接する場面だけみた第3者はどう感じるでしょうか?
おそらく距離感を縮めるためにといったような言い訳は通用しなくなると思います.
臨床実習生にも悪影響
資格者である理学療法士・作業療法士がクライアントにタメ口で接していたらそれを横で見ている臨床実習生にも悪影響ですよね.
理学療法士・作業療法士はこうやってクライアントとの距離感を縮めるんだなんて誤った学習をしてしまったら,それが後進にもひきつがれたらこれほど怖いことはありません.
今回は理学療法士・作業療法士のタメ口について考えてみました.
私自身も理学療法士・作業療法士がすべてのクライアントに完璧できれいな尊敬語・謙譲語を使う必要があるとは考えておりません.
丁寧語でも良いですし,尊敬語・謙譲語を間違って使用していてもそれはそれで仕方ないと思います.
大切なのはクライアントに対する敬意を持った姿勢だと思います.
社会人であれば正しい尊敬語・謙譲語を使えるようにしたいものですが,仮に正しい尊敬語・謙譲語が使えなくても,敬意をもって接していれば,まずタメ口で接するということはあり得ませんし,クライアントやその家族にも気持ちは伝わるはずです.
皆様も自身のクライアントへの接し方について改めて考えてみてはいかがでしょうか?
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