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理学療法士・作業療法士が知っておくべき英単語その1
以前にも複数回に分けて診療録から情報を得る際に必要な略語についてご紹介させていただきました.
以前は医学分野では診療録の記録にドイツ語が用いられていたわけですが,最近は専ら英語が用いられるようになってきております.
理学療法士・作業療法士も診療録から情報を得る際や診療録に記録をする際に英単語の知識が必須となります.
今回は理学療法士・作業療法士が知っておくべき英単語に関して,主に筋の名称について整理してみたいと思います.
筋の名称
理学療法士・作業療法士であれば筋の名称を英語で記述できることが必須です.
ここではいくつか頻繁に使用される筋の名称に関して略語も含めてご紹介させていただきます.
上腕二頭筋
Biceps brachiiと表現されます.
上腕二頭筋は長頭と短頭に分類されますが,長頭はlong head of biceps brachiiと表現され,BHLといった形式で略されることもあります.
上腕三頭筋
Triceps brachiiと表現されます.
お気づきのとおり上腕二頭筋と非常に似た表記になっていますね.
1=mono,2=bi,3=tri,4=quadraといったラテン語における倍数接頭辞については覚えておくと他の筋の英名を学習する際にも役に立ちますので,必ず覚えておきましょう.
ちなみにbrachiには上腕といった意味がありますので,腕橈骨筋なんかもbrachioradialisといったような表記がなされ,brachiといった表記を含みます.
大腿二頭筋
Biceps femorisと表記されます.
Bicepsというのが二頭筋といった意味を持ちますが,これに大腿の意味を持つfemorisを加えて大腿二頭筋です.
ちなみに大腿骨はfemurには大腿骨といった意味が含まれます.
大腿神経なんかはfemoral nerveと表記されます.
このようにばらばらに学習していると非常に覚えるのが大変な英単語ですが,それぞれの単語の意味を考えながら学習すれば次への学習につながりやすいです.
大腿四頭筋
Quadriceps femorisと表記されます.
Quadraというのは4つのいった倍数接頭辞です.
これに大腿骨といった意味のfemurの意味を加えたものです.
大腿四頭筋は内側広筋・外側広筋・中間広筋・大腿直筋に分類されます.
これにもそれぞれ英名があるわけですが,内側広筋はvastus medialisと外側広筋はvastus latelalisと中間広筋はvastus intermedius,大腿直筋はrectus femorisといった表記がなされます.
お気づきのように広筋はvastusといった表現が用いられます.
また重要な点はmedialといった内側といった意味を持つ用語と,lateralといった外側といった意味を持つ用語が含まれる点です.
これらの用語はMCLにおけるmedial collateral ligament,LCLのlateral collateral ligamentといった用語やlateral thrust(側方動揺)といった表現など非常に頻回に使用されますのでおさえておきたいところです.
またrectusというのは直筋といった意味を持ちますが,腹直筋なんかもrectus abdominisといったような表記がなされますので,合わせて覚えておくとよいでしょう.
前脛骨筋
Tibialis anteriorと表記されます.
TAと略されることも多いです.
TAには交通事故(Traffic Accident)といった意味で使用されることもありますので注意が必要です.
Tibiaという単語には脛骨といった意味があります.
例えば大腿脛骨関節は先ほどのfemurといった用語と組み合わせて,femoro-tibial jointといった表現がなされます.
またanteriorという用語には,「前方」といった意味が含まれます.
例えばACLの「A」はanteriorの略です.
ちなみに後方はposterior,上方はSuperior,下方はInferiorといった表現がなされますので,合わせて覚えておくとよいです.
後方を使った用語で言うと後脛骨筋がありますが,これはtilibalis posteriorと表記されます.
上方を使った用語で言うと棘上筋がありますが,これはSupraspinatusと表記されます.
下方を使った用語で言うと棘下筋がありますが,これはInfraspinatusと表記されます.
このように1つ学習するとどんどん他の知識へと学習が広がっていくのです.
腸腰筋
Iliopsoasと表記されます.
Iliacというのは腸骨といった意味を持ちます.
ちなみに上前腸骨棘の略称であるASISや上後腸骨棘の略称であるPSISの「I」は腸骨の意味を含みます.
また上前腸骨棘のAはAnterior(前)の意味を持ちますし,上後腸骨棘のPはPosterior(後)の意味を持ちます.
さらにASIS・PSISともに2番目の「S」はSuperior(上)といった意味を持ちます.
今回は理学療法士・作業療法士が知っておくべき英単語に関して,主に筋の名称について整理してみました.
重要なのは用語の意味を確認しながら関連付けながら学習するという点です.
筋の名称だけでも十分に紹介しきれませんでしたので,また今後第2弾として筋の名称の英名に関してもご紹介させていただこうと思います.
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