指の関節がポキッとなるのはなぜか?

投稿者: | 2018年11月14日

 指の関節がポキッとなるのはなぜか? 

指の関節をポキポキ鳴らしたり,首の関節をポキッと鳴らす人って多いですよね.

私自身も時々指の関節を鳴らしたりしますが,指の関節を鳴らすとなんとなく疲れが取れたような錯覚に陥ります.

私自身もクライアントや家族に指の関節を鳴らすのは関節に悪いのかといったような質問を受けることは多いのですが,今までなんとなく曖昧に答えておりました.

しかもこの指の関節を鳴らす行為って癖になっている人が多いんですよね.

男性に多いのですが,ことあるたびに関節を鳴らしている方も少なくありません.

今回はこの指の関節をポキッと鳴らす行為について考えてみたいと思います.

 

 

 

 クラッキング 

指をはじめとする関節を鳴らす行為はクラッキングと呼ばれます.

このクラッキングはポキッ・ポキポキ・コキコキなどの様々な擬音語で表現されます.

 

 

 

 これまでのクラッキング研究 

また一度鳴らした関節については20分待たないと鳴らせないことも過去の研究で立証されておりました.

しかしながらこの関節音の発生源については解明されておりませんでした.

この関節音の原因ですが,関節内の滑液中にあるキャビテーション気泡の部分的な崩壊によって起こることが明らかにされました.

実はこの現象に関しては,既に1970年代に関節音と気泡の崩壊との関連性が指摘されていたのですが,関節音を鳴らした後にもまだ関節液中に気泡が残っていることがその後の研究で明らかとなり,関節音と気泡の崩壊との関連性が疑問視されておりました.

 

 

 最新のクラッキング研究 

科学雑誌「PLOS ONE」に掲載された最近の研究によると,関節内に一時的に空洞が生じることで関節音が鳴るということが明らかにされております.

この研究では,指の関節を鳴らす時に何が起きているのか観察するため,指をケーブルに繋いだチューブに挿入し,MRIを使用して動画を撮影しております.

このMRI動画の結果,関節がなる瞬間には,関節は離開され「ポキッ」という音が鳴り,関節の滑液内に気体を内包した空洞が生じることが明らかにされております.

関節が急激に理解されると関節内の容量が増え,関節液で関節内を満たせなくなるため,結果的に空洞が生じ,この空洞が関節音を発生させるわけです.

関節内の容量が増えるということはPV=P’V’といったボイルシャルルの法則で説明できます.

関節を急激に屈曲したり進展したりすると,関節は離開され容積(V)が増えます.

ボイルシャルルの法則で考えるとVが増えると,Pは減少し,結果的に滑液中に滑液外から空気が入り込んでくるわけです.

入り込んだ空気は,20~30分かけて滑液内に溶け込んでいきますので,通常は同じ関節を何度も連続して鳴らせないわけです.

 

 

 指の関節を鳴らすと関節を痛めるって本当? 

これまでのところ,このクラッキングが有益か有害かについては,まだ縦断的な調査が行われておりません.

現在のところ関節炎の原因になるようなものではないとされております.

このクラッキングが関節に悪いかどうかを検討した面白い報告があります.

この研究は2009年のイグノーベル賞でも表彰されているのですが,この研究の結果,60年もの間,常習的に左手の関節だけを鳴らし,右手は鳴らさないといった習慣を継続しても,左手に問題が生じることは無かったとしております.

あくまで1例の報告ですので,どこまで信用するかですが,非常に興味深い結果であると考えられます.

クラッキングの原因を考えれば,関節炎の原因になったりすることはなさそうですが,急激に腱にストレスが加われば,腱鞘炎等を発症する可能性や靱帯が過伸張されている可能性も考えられます.

 

 

 

今回はこの指の関節をポキッと鳴らす行為について考えてみました.

以前はこの関節音は気泡が破裂するために起こるものであると考えられておりましたが,滑液内に空気が入り込むことで生じる音だということが分かりました.

まだまだわれわれの身近なところにも解明されていないことってたくさんあるんですね.

 

 

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