目指すのはスペシャリスト?ジェネラリスト?

投稿者: | 2018年8月28日

理学療法の職域も以前に比較してかなり広がってきており,理学療法士が活躍する分野も多種多様になってきております.

専門職としての職域を拡大する流れは,日本理学療法士協会が推進する流れでもあり,今後もますます理学療法士が活躍する分野は拡大していくことが予想されます.

そういった中でわれわれ理学療法士は特定分野の専門性を高めスペシャリストを目指すべきなのか,分野を限定せず幅広い知識を持ったジェネラリストを目指すのか,今回はスペシャリスト・ジェネラリストのどちらを目指すべきなのかを考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 スペシャリスト(specialist)とは? 

スペシャリスト(specialist)とは特定分野において,深い知識や優れた技術をもった人のことを指します.

理学療法士の世界では,脳卒中・運動器疾患・呼吸リハビリテーション・心臓リハビリテーション・がんのリハビリテーション・小児・スポーツ・教育・高齢者(介護予防)など,それぞれの領域において専門的な能力を身につけたスペシャリストが存在します.

 

日本理学療法士協会における専門・認定理学療法士制度においても,7つの専門分野と23の認定領域に分類されており,専門化はますます進んでおります.

 

 

実際には運動器の中でも,骨折・関節症等を得意とする理学療法士もいれば,脊髄損傷や切断を得意とする理学療法士もいるわけで,さらには肩関節疾患・肘関節疾患・脊椎疾患・股関節疾患・膝関節疾患・足関節疾患と関節毎にスペシャリストが存在するような状況です.

 

医師を例に考えても内科医・外科医・泌尿器科医・整形外科医といったように診療科ごとに専門が分かれており,整形外科医の中でも関節外科医や脊椎外科医,microsurgeryや骨軟部腫瘍を専門とする整形外科医など様々です.

 

こういった分化・専門化というのは科学を発展させる上でも専門分野の知識・技術を深く追求するというのは非常に意味のあることだと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジェネラリスト(generalist)とは? 

ジェネラリスト(generalist)というのは分野を限定せず,広範な知識・技術・経験をもった人のことを指します.

社会的には理学療法士というのは各領域に特化しないリハビリテーション全般に関わる職業として認知されていると考えるのが普通だと思います.

そのため社会的には,理学療法士であれば小児疾患であれスポーツ理学療法であれ,全てに精通しているのだと思っている人がほとんどだと思います.

そのためわれわれがイメージする理学療法士のスペシャリストと,一般の方がイメージするそれとでは乖離があるわけです.

総合病院のような職場では脳卒中も呼吸も心臓もどんな疾患にも対応できる必要があるでしょうし,昨今の高齢者は骨折だけで入院ということは少なく,骨折で入院した症例であっても既往や合併症として内部障害系の問題を抱えていたり,片麻痺の既往があるといった症例は少なくないと思います.

一方で整形外科クリニックのような職場では,運動器疾患に関する専門性があれば十分にサービスが提供できるという場合も少なくないと思います.

このように組織や社会からの要求や認識の違いによって,理学療法士のあるべき立ち位置は変化するわけです.

 

理学療法士プロフェッショナル・ガイド 臨床の現場で役立つマネジメントのすべて [ 細田多穂 ]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジェネラリストでありスペシャリストであれ 

私が考える理想的な理学療法士像というのはジェネラリストかつスペシャリストである理学療法士です.

さまざまな疾病に関する広範な知識・技術・経験を有しながらも,1つもしくは2つ以上の専門性の高い分野を持った理学療法士こそが,最も社会から求められている理学療法士であると思います.

本邦における理学療法士数が少なかった時代には,1人の理学療法士が多くの疾患に関する知識・技術・経験を持ち,さまざまな障害を有する対象者に対峙してきたという歴史があります.

また国家試験の内容を考えれば幅広い疾患や障害に対応できる基礎力が期待されていることは明らかです.

スペシャリストを目指そうといった若い理学療法士の熱い気持ちは十分に理解できますが,いま改めてジェネラリストの重要性を再認識する必要があると思います.

 

今回はスペシャリスト・ジェネラリストのどちらを目指すべきかについて考えてみました.

こういった話は結論の出る話ではありませんが,ジェネラリストでありスペシャリストでありたいものです.

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