正確に下肢長を測定するコツ~これを知らないから誤差が出るのか~ 膝関節外側裂隙の触り方は必見

投稿者: | 2018年8月11日

今回は理学療法評価の中でも使用頻度の高い形態測定(下肢長・周径)こコツについてご紹介いたします.

下肢長や周径の左右差は5mm単位で測定するのが一般的ですが,正確な測定が行えないと5~10mmは容易に結果が変化しますので,そもそも何のために測定しているのかわからないということになってしまいます.

この記事では下肢長・周径を測定するちょっとしたコツをご紹介いたします.

 

 下肢長測定のコツ 

下肢長の測定には棘果長・転子果長・大腿長・下腿長の測定があります.

下肢長を測定するときに最も問題となるのがランドマークの触診の誤りです.

各測定では以下のランドマークの間の距離を測定します.

  • 棘果長(SMD):上前腸骨棘~脛骨内果
  • 転子果長(TMD):大転子~脛骨外果
  • 大腿長:大転子~外側膝関節裂隙
  • 下腿長:外側膝関節裂隙~脛骨外果

下肢長を測定する際には,上前腸骨棘・大転子・外側膝関節裂隙・脛骨内果・脛骨外果といった5箇所のランドマークを測定する必要があるのですが,この5つのランドマークの触診には難易度があります.

脛骨外果 < 脛骨内果 < 上前腸骨棘 < 膝関節外側裂隙 < 大転子

の順番で難易度が高くなっていきます.

今回は難易度の高い大転子と膝関節外側裂隙の触診のコツをご紹介いたします.

 

 

 

 

 大転子の触診 

大転子については上端と下端で脚長が20mmも変わってくることになりますので,触診が非常に重要となります.

大腿骨を内外転させたり,回旋させることで,大転子の最突出部を確実に触診することが重要となります.

そもそも大転子は触診の難易度の高いランドマークですから,測定誤差を減少させるためには時間をかけて正確に触診をすることが重要です.

 

 

 

 

 膝関節外側裂隙の触診 

膝関節外側裂隙の触診も比較的難易度が高いです.

特に膝関節に腫張があったりするとわかりにくいものです.

 

この図のようにあぐらをかくように股関節外転・外旋位.膝関節屈曲位をとると膝関節に内反ストレスがかかり,膝関節外側裂隙が硴認しやすくなります.

また同時に伸張された外側側副靭帯を明瞭に触診することも可能となります.

 

 

 1度触診したランドマークから手を離すな! 

また1度正確に触診したランドマークから手を離さないことも重要です.

 

転子果長⇒メモ⇒大腿長⇒メモ⇒下腿長⇒メモ

 

といった順番で測定を行うと,触診の難易度の高い大転子,外側膝関節裂隙をそれぞれ2回触診する必要があります.

こうなると触診による誤差が出やすくなってしまいます.誤差を少なくするためには,極力触診の回数を少なくする必要があります.

転子果長⇒大転子を離さずに⇒大腿長⇒外側膝関節裂隙を離さずに⇒下腿長

といった順番で測定を行うと,触診の難易度の高い大転子,外側膝関節裂隙を触診する回数が1回で済みます.

こうすると2回測定する場合に比較して触診による誤差が少なくなります.

 

 

 

今回は下肢長測定における正確に測定を行う上でのポイントをご紹介いたしました.

基本的には触診が正確にできるというのが正しく測定を行うための条件になりますが,測定の順番を工夫した上で,触診の回数を減らすことで誤差を減少させることができれば,より正確な測定が行えるようになります.

 

参考文献
1)大谷拓哉, 他: 転子果長測定における大転子基準点に関する調査. 形態・機能15: 48-57, 2016

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