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ようやく新生涯学習制度が見直される?登録・認定・専門理学療法士の更新要件を修正?
日本理学療法士協会では2022 年度に新生涯学習制度を開始いたしました.
この新生涯学習制度ですがこれまでにもさまざまな問題が指摘されておりました.
境界離れが進む中でこの新生涯学習制度は肝となる制度の1つだと思いますが,あまりにも問題が多く,嫌気がさしている会員も多いと思います.
今回は今後どのように新生涯学習制度が見直されるのかについてご紹介させていただきます.
登録理学療法士更新
日本理学療法学会連合の会員団体主催の研修会受講を追加
これまでも日本神経理学療法学会や日本運動器理学療法学会などの日本理学療法学会連合が主催する学会については,生涯学習ポイントが付与されておりましたが,日本神経理学療法学会や日本運動器理学療法学会などの日本理学療法学会連合が主催する研修会についてはポイントの付与がありませんでした.
そのため日本神経理学療法学会や日本運動器理学療法学会が主催する研修会に参加してもポイントが付与されないといった問題がありました.
都道府県理学療法士会の研修会参加ではポイントが付与されるのに連合学会の研修会参加ではポイントが付与されないというルールは理解できないところがありますので,この点は改善してほしいですね.
カリキュラムコードを高いポイント数への上書きを可能とする
登録理学療法士の更新にあたってはカリキュラムコードごとにポイントが付与されます.
しかしながら同一のカリキュラムコードについては上書きができないといった問題がありました.
例えば「関節可動域障害」といったカリキュラムコードの研修会で1ポイントを取得した場合,その後に「関節可動域障害」といったカリキュラムコードの研修会で6ポイントを取得したとしても1ポイントのままでポイントが上書きされないといった問題がありました.
上書きされないのであればと学会や研修会の参加をためらう方もいらっしゃったと思いますので,この点も早々に改善いただきたいですね.
認定・専門理学療法士更新
協会・ブロック・日本理学療法学会連合の会員団体が発行する学術誌投稿を追加(必須要件)
認定・専門理学療法士更新の必須要件の1つとして学術誌への論文掲載といった条件があります.
しかしながら現行の制度では学術誌への論文掲載については都道府県理学療法士会の学術誌に限定されておりました.
今後は法人学会が発行する学術誌についても更新要件として認められる方向性ということですのでこの制度見直しも妥当でしょうね.
日本理学療法学会連合の会員団体主催の学術大会における⼀般発表を追加(必須要件)
認定・専門理学療法士更新の必須要件の1つとしてブロックまたは都道府県理学療法士学会での一般演題発表といった条件があります.
現行の制度では日本神経理学療法学会や日本運動器理学療法学会などの法人学会での発表では更新要件として認められないわけですが,これについてはブロックまたは都道府県理学療法士学会での一般演題発表を増やすための政策的な誘導の側面が強いものでした.
ただ日本神経理学療法学会や日本運動器理学療法学会などの法人学会での発表で発表したのに必須要件に該当しないというのはなんとなくもやもやする制度でした.
今後は法人学会が主催する学会での発表についても更新要件として認められる方向性ということですのでこの制度見直しも妥当でしょうね.
協会、都道府県士会、ブロック、日本理学療法学会連合の会員団体が発行する学術雑誌の論文査読を追加
実はこれまで学会の一般演題の査読についてはポイントとして認められておりましたが,論文査読についてはポイントに反映されておりませんでした.
論文査読の作業はかなり時間がかかりますので,各団体で査読委員を務められている方には朗報ですね.
今回は今後どのように新生涯学習制度が見直されるのかについてご紹介させていただきました.
いずれにしても会員のやる気を削がない制度に改定いただきたいですね.
またインセンティブについての議論も早く進めていただきたいところです.