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理学療法士・作業療法士が判断してはいけないこと
最近は超音波エコー普及の弊害か理学療法士・作業療法士といった職種の範疇を超えた診断まがいなことをされている理学療法士・作業療法士が増えているなといった印象を受けます.
研修会なんかでもそれは理学療法士・作業療法士が言っちゃダメでしょうと思えるようなことがけっこうあります.
今回は理学療法士・作業療法士が判断してはいけないことについて考えてみたいと思います.
癒着
まずは一番多いと思われるのがこれです.
重要な概念なのはわかりますが,理学療法士・作業療法士だけで癒着しているかといった判断するのはNGです.
膝蓋上嚢の癒着とか膝蓋下脂肪体の癒着とかそういった表現を学会等でもよく耳にしますが,これって理学療法士・作業療法士だけで判断をするのは基本的にはまずいと思います.
癒着というのは一種の病態ではありますので,医師の判断が必須だと思います.
逆に滑走性の低下とか伸張性の低下といったような用語であれば理学療法士・作業療法士の判断だけで用いることが可能です.
肥厚
肥厚も理学療法士・作業療法士だけで判断するのはまずいでしょうね.
そもそも肥厚しているかどうかは画像を読影したうえで判断するものですので,体表から触れるだけで判断できるものではありません.
超音波エコーを使って肥厚を確認するといったケースが多いのかもしれませんが,肥厚というのは一種の病態ですので理学療法士・作業療法士だけで判断するのはまずいですね.
基本的には医師の判断が必須です.
絞扼
「坐骨神経が絞扼されている」なんて表現もよく見かけますが,絞扼も病態ですので理学療法士・作業療法士が絞扼を疑って医師に上申することはできても,理学療法士・作業療法士だけの判断で公約しているといった判断をするのはNGです.
絞扼性障害って意外と病態としては多いと思いますが,これについても医師の判断が必須ですので注意が必要です.
炎症
熱感や発赤,腫脹,疼痛があれば炎症が起こっている可能性が高いわけですが,こういった情報だけで炎症が起こっていると理学療法士・作業療法士だけで判断してクライアントに説明するのはやはりまずいでしょうね.
炎症も病態になりますので理学療法士・作業療法士が判断できる範疇のものではありません.
血液検査で炎症マーカーを確認したうえで医師が判断することが必須です.
触って熱があるからといって炎症が起こってますねなんてクライアントに説明するのはまずいわけです.
熱感は病態ではなく現象ですので,熱感がありますねはOKですね.
今回は理学療法士・作業療法士が判断してはいけないことについて考えてみました.
理学療法士・作業療法士の皆様も理学療法士・作業療法士が行ってよいことと行ってはまずいことをきちんと分けて考えることが重要です.
診断紛いなことをする理学療法士・作業療法士が増えれば医師から理学療法士・作業療法士がどうみられるか答えはわかってますからね.
自分の立場をわきまえて仕事をしましょう.