目次
理学療法士だけじゃない薬剤師も急増
理学療法士は今や年間で10,000名以上増加しております.
需要と供給のバランスが崩れ2026年には供給が需要を上回ることが推測されており,2040年には理学療法士の供給は需要の1.5倍にもなることが推計されております.
実はこういった急増は理学療法士だけではないようです.
今回は理学療法士のみならず薬剤師が急増しているといったお話です.
記事によると
文部科学省は2025年度以降、原則として大学の6年制薬学部の新設や定員増を認めない方針を固めた.
将来的な薬剤師余りや,近年の薬学部の急増による定員割れなどに対応する.
7月22日の有識者会議で,薬学部の新設・定員増の抑制案を示し,今年度中の設置認可基準の改正を目指す.
早ければ25年度から,6年制薬学部の新設や定員増加は原則できなくなる.
厚生労働省によると,薬剤師の総数は45年には,病院や薬局で必要な人数(33万~40万人)を10万人程度,上回るとみられる.
薬剤師が過剰になると,就職難や待遇の悪化などを招きかねない.
薬剤師余りの背景は?
「薬剤師余り」の背景には,近年の薬学部の急増があります.
医療の高度化などに伴い,薬剤師を養成する薬学部は06年度,4年制から6年制になりました.
この前後から6年制薬学部の新設が相次ぎ,06年度の66大学67学部から,21年度は77大学79学部となりました.
このうち26大学には,薬学の基礎を学ぶ4年制も併設しておりますが,薬剤師国家試験受験には原則,6年制課程の履修が必要となります.
医師や歯科医師,獣医師を養成する大学は原則,新設や定員増は認められておりません.
薬学部は大学が自由に申請でき,法令に適合すれば認可されてきた実情があります.
6年制薬学部を持つ私大58校(60学部)の3割は,入学定員充足率が80%以下にとどまっております.
また6年で卒業し,ストレートで国家試験に合格できる学生は私大では6割に満たない状況です.
薬剤師には医師らと連携し,患者への薬物療法や健康増進に関わるなど専門性が期待されますが,薬学教育の質低下も指摘されます.
これは深刻ですね.
状況的には理学療法士にかなり近いものがあります.
一方で薬剤師は新設や定員増加を法律で制限することに成功しそうです.
こういった薬剤師の動きを見るとなぜ薬剤師会にはできて理学療法士協会にはできないのかが不思議ですね…
職能団体の役割は?
職能団体の役割として現有資格者の雇用を守るといった役割が挙げられると思います.
薬剤師会の場合には現有資格者の雇用や待遇を守るために早くに設置認可基準の改正を進めております.
なぜ理学療法士の場合にはこういった動きが進まないのでしょうかね…
以前から理学療法士の需要と供給のバランスが崩れるといった話は出ておりますが定員の制限や新設を認可しないといった動きは進んでおりません.
私立大学をはじめ新設校もまだまだ増えておりますし,日本理学療法士協会の副会長が副学長として新設校を増やすといったニュースもあったくらいです.
今回は理学療法士のみならず薬剤師が急増しているといったお話でした.
薬剤師会にならって理学療法士会も急増を早く止めるべく具体的な行動を進めなければいけませんよね…
このままでは理学療法士の未来は…