本当に長母趾屈筋のタイトネスは足関節背屈可動域制限の原因になるのか?

足関節周囲外傷
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本当に長母趾屈筋のタイトネスは足関節背屈可動域制限の原因になるのか?

理学療法士・作業療法士が足関節背屈可動域獲得に難渋することって多いですよね?

足関節背屈可動域制限の原因も様々ですが足関節背屈可動域制限の原因の1つとして長母趾屈筋のタイトネスが挙げられます.

長母趾屈筋のタイトネスは距骨の後方移動を妨げ,結果的に背屈可動域を制限するとされております.

しかしながら本当に長母趾屈筋のタイトネスは足関節背屈可動域制限の原因になるのでしょうか?

今回は本当に長母趾屈筋のタイトネスは足関節背屈可動域制限の原因になるのかを明らかにした研究論文をご紹介させていただきます.

person foot on brown rock

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介する論文

Foot Ankle Surg. 2021 Jul;27(5):550-554. doi: 10.1016/j.fas.2020.07.007. Epub 2020 Jul 21.

Increased flexor hallucis longus tension decreases ankle dorsiflexion

James Michelson 1, John O’Keefe 2, Lauren Bougioukas 2

Affiliations expand

PMID: 32739176 DOI: 10.1016/j.fas.2020.07.007

今回ご紹介する論文は2021年に掲載された論文です.

 

 

 

 

 

 

 

研究の背景

Background: Restricted excursion of the flexor hallucis longus (FHL) is associated with several clinical problems. An FHL excursion measurement device (EMD) was used to objectively assess differences between patients with clinically normal or tight FHL tendons.

長母趾屈筋の伸張性低下はさまざまな臨床的な問題と関連することが知られております.

臨床的に正常な長母趾屈筋腱を持つ症例と長母趾屈筋腱が硬い症例の相違を客観的に評価するために,長母趾屈筋伸張性測定装置(EMD)を使用しております.

 

 

 

 

 

 

 

研究の方法

Methods: 188 patients (356 feet) were enrolled. The EMD measured maximum ankle dorsiflexion with the great toe in 15°, 30°, and 45° of dorsiflexion. All had clinical assessment of FHL tightness by their provider independently of the EMD measurement.

188例(356足)を研究対象としております.

長母趾屈筋伸張性測定装置は母趾を15°,30°,45°背屈させた状態で足関節の最大背屈角度を測定しております.

また長母趾屈筋伸張性測定とは別に,長母趾屈筋のタイトネスを医療従事者が臨床的に評価しております.

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

Results: Increased hallux DF always caused decreased ankle DF. Patients with clinically tight FHLs demonstrated decreased ankle DF compared to normal subjects at all hallux positions (p<0.01). The EMD measurement was not sensitive enough for detection of FHL tightness in individuals. A clinically tight FHL was seen in almost 50% of feet.

母趾背屈角度の減少は常に足関節の足関節背屈角度を低下させておりました.

臨床的に長母趾屈筋がタイトな症例では,すべての肢位において健常者と比較して足関節背屈可動域が減少しておりました(p<0.01).

長母趾屈筋伸張性測定は個人における長母趾屈筋のタイトネスを検出するのに十分な感度を有しておりませんでした.

臨床的にタイトな長母趾屈筋はほぼ50%の足で見られました.

 

 

 

 

 

 

研究の結論

Conclusions: Tension in the FHL can limit ankle DF. Clinical tightness of the FHL is likely more common than currently recognized.

長母趾屈筋の緊張は足関節背屈可動域を制限する可能性があります.

長母趾屈筋の臨床的なタイトネスは,現在認識されているよりも一般的である可能性が高い.

 

今回は本当に長母趾屈筋のタイトネスは足関節背屈可動域制限の原因になるのかを明らかにした研究論文をご紹介させていただきました.

解剖学的にはこれまでも足関節背屈可動域と長母趾屈筋のタイトネスとの関連性が示唆されておりましたが,こういった形でデータで示されているものを見るとさらに重要性に関する認識が深まりますね.

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