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理学療法士・作業療法士の臨床実習における質問の仕方
理学療法士・作業療法士の臨床実習で見学後に必ず聞かれるのが「何か質問ある?」このフレーズです.
質問しないと消極的だとか無関心だとかいったレッテルを貼られてしまいますので何か質問する必要があるのですが,質問内容って難しいですよね.
また何を質問したらいいのかわからないと躊躇しているとせっかくの機会を逃してしまうことにもなります.
今回は理学療法士・作業療法士の臨床実習における質問の仕方について考えてみたいと思います.
理学療法士・作業療法士の臨床実習で質問をする際には何に注意したらよいのか?
理学療法士・作業療法士の臨床実習では,積極的に質問をして学びを得ようとする姿勢が指導者に対して好印象を与えることが多いでしょう.
しかしながら闇雲に質問ばかりを繰り返せばよいかというと決してそんなこともありません.
理学療法士・作業療法士の臨床実習生が臨床実習で質問をする際には質問の仕方について意識すべきポイントがあります.
まずは質問をする前に指導者の断りを入れる
指導者が治療中の場合や事務作業をしている際は,臨床実習生の質問に対応することが難しい場合もあります.
そのため臨床実習生が指導者に質問をする場合には,まず「お忙しいところ失礼いたします.質問をしてもよろしいでしょうか?」などと一言,断りの挨拶を入れると,良い印象につながります.
これは就職して先輩理学療法士・作業療法士に何かを聞いたりする際にも重要となります.
相手の状況を確認すること無く質問を投げかけてしまうとせっかくの積極的な姿勢も印象を悪くしてしまうことになるでしょう.
指導者から質問に対する回答が得られたのであれば,きちんと感謝の言葉を述べることも重要です.
謙虚な姿勢で
理学療法士・作業療法士の臨床実習においては,実習生はクライアントのリハビリ時間を使って学ばせてもらっていることを忘れてはなりません.
間違っても自分が診てやっているんだなんて態度はNGです.
常に謙虚な姿勢で臨みましょう.
また指導者に質問をする際にもそういった意識を持っておくことが重要です.
指導者を肯定すると良い
理学療法士・作業療法士の臨床実習を上手く進めるためには,指導者との関係性を良好に保つことが重要です.
しかしながら質問の仕方や内容によっては,指導者を不快にさせてしまうことがあり得ます.
指導者も人間ですから,ちょっとした質問から関係性が壊れてしまうことも少なくありません.
質問の返答をもらった後には「とても参考になりました」「おかげで視野が広がりました」などと,指導者の回答を肯定するような反応を示すのもちょっとしたテクニックです.
このあたりがうまくできる実習生は得をしますね.
どんな質問が良いのか?
では具体的にどんな質問が好印象なのでしょうか?
また実習では見学の後に必ずといっていいほど質問を求められますのである程度質問のテンプレートを用意しておくとよいでしょう.
質問①何を目的にそのアプローチをしているのですか?
理学療法士・作業療法士が行っている治療アプローチは,何気なく行っているように見えても,多くの場合にはクリニカルリーズニングに基づいて実施されています.
気になったアプローチに対して,何を目的に実施しているのかを質問すると,その方法を選択したプロセスや,クリニカルリーズニングの過程について説明を受けることができます.
またこういったアプローチの目的に関する質問はどのクライアントにも使える質問なのでテンプレートとしては持っておくといざというときに役立ちます.
質問②私はこのクライアントの問題点は○○だと思いますがどうでしょうか?
理学療法士・作業療法士の臨床実習の場合には,実習生は質問が受け身になりやすく,自分の考えを表出することが少ないことが多いです.
この質問②のように自分の考えを述べた上で質問をすると好印象につながるでしょう.
ただしこの場合には的外れな質問になってしまうこともありますので,的を得た質問をするには基礎的な知識の理解が必須となるでしょう.
質問③○○筋の触診のコツってありますか?
理学療法士・作業療法士の臨床実習の1番の醍醐味は,目の前に実際のクライアントがいて,リアルな対応が学べるといった点にあります.
養成校では教科書や画像の中の事例ですが,実際のクライアントからは多くの情報を得ることができます.
動作分析,触診技術,関節の動かし方など,実際に目で見て手で触って感じたことについて質問すれば,より実践的な学びが得られるでしょう.
教科書を読めばすぐに調べられるような内容の質問ではなく,実践形式で学べる質問を多くするのがポイントです.
今回は理学療法士・作業療法士の臨床実習における質問の仕方について考えてみました.
理学療法士・作業療法士の臨床実習生も質問をうまく使って指導者の印象をあげられるとよいですね.
また質問を通じて自分自身の学びにつなげるといった視点も重要でしょうね.