理学療法士・作業療法士はクライアントに予後に関する説明をすべきではない

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理学療法士・作業療法士はクライアントに予後に関する説明をすべきではない

私が養成校時代には口酸っぱく養成校の教員から,「理学療法士・作業療法士はクライアントに予後に関する説明をすべきではない」といった話をされました.

就職してからも上司から「理学療法士・作業療法士はクライアントに予後に関する説明をすべきではない」といった類の教育を繰り返し聞いた覚えがあります.

最近このあたりで勝手に理学療法士・作業療法士が診断したり,説明したりといった事象がさまざまな場面で起こっているようです.

今回は改めて理学療法士・作業療法士はクライアントに予後に関する説明をすべきではないといったお話です.

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クライアントからよく聞かれる「歩けるようになりますか?」

理学療法士・作業療法士であれば誰しもが経験があると思われるのがクライアントからの「歩けるようになりますか?」といった問いです.

この質問に対する回答には必ず歩行の予後に関する判断が含まれます.

当然ながらこの問いに理学療法士・作業療法士が気軽に回答するべきではありません.

原則主治医や担当医からの説明というのが基本になるでしょう.

これはチーム医療の中で医師が理学療法士・作業療法士よりも上位であるとかそういった話ではなくて,裁量権に伴う責任の違いです.

理学療法士・作業療法士の立場では責任が取れないことも多いですから,安易に予後に関して言及するべきではありません.

 

 

 

 

 

 

 

超音波診断装置の普及

最近は理学療法士・作業療法士界隈で問題となることが多いのが超音波診断装置を使った理学療法士・作業療法士による診断めいた発言です.

理学療法士・作業療法士が超音波診断装置を使って原因組織を同定する際にも,決して診断になってしまうような説明は避けるべきです.

あくまで運動療法の一助として超音波診断装置を使って得られた情報を使用するべきであり,診断的な説明は主治医や担当医から行うのが望ましいでしょう.

超音波診断装置に限らず画像検査や生理検査なんかでも同じことが起こり得ます.

放射線技師や臨床検査技師が結果を見て「大丈夫そうですね」などと口にするのはNGと言えるでしょう.

最近は電子カルテで血液検査の結果を閲覧できたりしますが,これをクライアントに伝えて大丈夫とするのもNGでしょうね.

 

 

 

 

 

 

 

 

なんでも医師に聞いてくださいも無責任

ただ難しいのはクライアントから予後に関する質問をされた時に何でもかんでも医師に聞いてくださいではなんとなく無責任な感じもしますし,そういった対応ではクライアントから信頼を得られない可能性も高いです.

「私の経験ではこのくらいの時期にこのくらいの方が歩行可能になっています,ただ症状や経過は人それぞれですので詳しくは主治医の先生に聞いてみてください,私の方からも〇〇さんが今後歩行が可能になるかどうかを気にされていることを●●先生に伝えておきましょう」

こんな回答の仕方がクライアントの信頼を得つつ,予後に関する診断を避けることにつながるでしょうか?

 

今回は改めて理学療法士・作業療法士はクライアントに予後に関する説明をすべきではないといったお話でした.

昔から口酸っぱく言われてきた理学療法士・作業療法士による予後に関する説明はタブーだといった当たり前の話ですが,当たり前のことを当たり前に行うことが自分自身の身を守ることにもつながります.

理学療法士・作業療法士の皆様も改めて自分の発言に責任を持ち,予後に関する説明を行わないように注意して仕事をできるとよいですね.

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