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新人理学療法士・作業療法士はなぜ動作分析が苦手なのか?
新人理学療法士・作業療法士が苦手意識を持っていることが多いのが動作分析です.
動作分析って難しいですよね?
でもなぜ新人理学療法士・作業療法士は動作分析が苦手なのでしょうか?
今回は新人理学療法士・作業療法士はなぜ動作分析が苦手なのかについて考えてみたいと思います.
正常動作の理解が十分でない
まず根本的なところですが新人理学療法士・作業療法士の場合には正常動作の理解が十分でないことが多いです.
正常動作に関する知識が不十分であれば当然ながら異常動作を理解することができません.
正常動作の理解を深めることで異常動作が見つけやすくなります.
またなぜ異常動作が起こるのかを考えることで,移乗動作の改善のためにどういったプログラムを実施すべきかが明確となります.
局所に集中しすぎて全体を見れない
これもけっこうありがちです.
動作分析って一つの箇所に集中しすぎると全体が見えなくなる傾向があります.
まずは動作を全体的に観察することが重要です.
なんとなく右の立脚期が短いなとかそういった第一印象として感じたことを抽出できるとよいでしょう.
実はこの第1印象が重要だったりします.
はじめから局所に着目するのではなくまずは全体を観察する視点が重要です.
歩行相に分類して見ていない
学生時代に立脚初期とか遊脚前期とか歩行の相を学習しましたよね?
にもかかわらず歩行相に分類して動作分析を行えない新人理学療法士・作業療法士って多いです.
歩行って一連の流れですので動きが速すぎて何が問題なのかが見えにくいですが,歩行相に分けて考えると異常動作が見つけやすくなります.
場合によってはステップ動作を繰り返して立脚期に着目して動作を観察する等,歩行の一部分を取り出して評価を行うといった視点も重要です.
クライアントへの触診を怠っている
動作分析ってただただ観察することだと思っていませんか?
場合によっては動作中に触診を行うことで得られる情報はかなり多くなります.
代表的なのは筋の収縮を触診です.
正常歩行ではこのタイミングで大殿筋が活動するけどこのクライアントは収縮が得られないとかそういった視点で触診を含めて動作を観察していくことが重要です.
一定の環境でしか評価していない
新人理学療法士・作業療法士に多いのが動作分析を一定の環境でしか行っていないといったパターンです.
例えば立ち上がりであればベッドや椅子の高さを変えてみることで得られる情報も増えます.
起き上がりにしても手すりが無いとどうなるのかとか,左右で起き上がり動作にどのような違いがあるのかを観察することでより問題点を見つけやすくなります.
クライアントの真似ができない
新人理学療法士・作業療法士の皆様も学生時代に口酸っぱくしてクライアントの真似をしなさいと指導されませんでしたか?
クライアントの真似をすることで,その動作をする際にどこに力が入るのか、どの運動が起こりにくいかを自らの身体を通じて確認できます.
もちろん動作観察が不十分だと真似自体ができないわけですが…
動作を観察する回数が少ない
新人理学療法士・作業療法士の場合には動画を撮影して繰り返して動作を観察するといった方法も有効です.
クライアントに許可を得たうえでタブレット等で動作を撮影し,動作を何度も観察します.
合わせて先輩や熟練者に指導を仰ぐといった方法が有効です.
動作分析の難しいところは、短い時間で行わなくてはいけないといった点です.
また動作分析を何度も行っているとクライアントにとっても大きな負担になってしまいます.
動画を撮影しておけば何度も見直すことができますし,場合によってはクライアントに対してフィードバックを行うこともできるでしょう.
今回は新人理学療法士・作業療法士はなぜ動作分析が苦手なのかについて考えてみました.
いくつかなぜ新人理学療法士・作業療法士が苦手なのかを挙げてみましたが,当てはまるものがありましたか?
今回の内容をもとに何度も繰り返して動作分析を行うことで熟練した動作分析が行えるようになるとよいですね.