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理学療法士・作業療法士が論文を執筆する際に間違えがちなこと
法人学会が学術誌を発行したこともあって最近は論文を執筆する理学療法士・作業療法士も増えましたね.
論文を執筆する際に間違えがちなポイントっていくつかありますよね?
今回は理学療法士・作業療法士が論文を執筆する際に間違えがちなことについてご紹介させていただきます.
句読点の統一
論文では一般的に句読点ではなくカンマ・ピリオドを用いられます.
投稿規定や執筆規定を確認すると句読点ではなくカンマやピリオドを用いるように規定されていることがほとんどでしょう.
論文誌によっては,読点とピリオド(「、」と「.」)の組み合わせやカンマと句点(「,」と「。」)の組み合わせが指定されていることもあります.
「、」を使ったり「,」を使ったりと句読点の不統一は,論文盗用の疑いをかけられる原因にもなりますので注意が必要です.
である調で執筆
研究論文は基本的に「である調」で記述されます.
論文中でも総説論文の場合には「です・ます調」で統一される場合もありますが,総説論文でも「である調」で記述されることの方が圧倒的に多いです.
最も避けるべきは「である調」と「です・ます調」の混在です.
必ずどちらかに統一すべきです.
体言止めは厳禁
体言止めとは文の末尾を名詞や代名詞で結ぶ表現を指します.
こんな文章ですね。
基本的に日本語は文尾で肯定や否定を表現することが多いため,正確に伝えることが求められる研究論文は体言止めは用いず,「文章」で記述する必要があります.
例えば「〇〇が必要」という表現は,厳密には「必要である」のか「必要でない」のかが確定せず,曖昧なものになっています.
理学療法士・作業療法士の論文の中でも体言止めが用いられることが多いのが,研究対象者についての記述です.
こんな記述ってよく見かけますよね?
ただこれは基本的にはNGです.
文章で記述するか表にまとめるなど表現を工夫することが重要です.
逆に,論文や章・節の表題や,学会発表・講演のスライドでは体言止めの方が好まれます.
「~を認めた」
「〇〇を認めた」という表現も理学療法士・作業療法士の論文でよく見かけますね.
「〇〇を認めた」といった場合には,主語が「私(執筆者)」となることが多いです.
また〇〇にはクライアントの症状や画像上の病変などのヒトが認知した事象や診断内容が入ります.
こんな感じの表現って多いですよね.
また好まれない事例としてよく散見されるのが「有意差を認めた」という表現です.
有意水準は客観的な検定手法・指標に基づき定義され,有意差の有無が判定されるものですので,「有意差があった/なかった」と記述しましょう.
また,単に有意差の有無ではなく「有意にどうであったか」という情報が求められることが殆どですので,「A群の収縮期血圧はB群の収縮期血圧よりもより有意に高値であった」などと表現するのが適切だと思います.
「今回は〇●」
論文内でよく見かけるのが「今回は○○を行った」という表現です.
研究論文では読者が前回を読んでいるとは限りませんので,「今回は」といった表現は不適切です.
初めての内容の論文であれば前回が存在しませんしね.
論文内では「今回は」といった表現ではなく「本研究は」と記述するのが正しい方法です.
「可能性が示唆された」
「可能性を示唆している」という表現は避けましょう.
「可能性がある」か「示唆される」のいずれかで表現します.
いずれも明言を避けるときに用いられるため,これらを二重で使用するほどに弱い内容なのでしたらそのそも論文内で述べない方が良いかもしれません.
今回は理学療法士・作業療法士が論文を執筆する際に間違えがちなことについてご紹介させていただきます.
皆様もハッとさせられるものが多かったのではないでしょうか?
適切な表現を使用してアクセプトを勝ち取れるとよいですね.