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理学療法士・作業療法士も知っておきたいbendopnea(ベンダプニア)
心疾患のリハビリテーション分野で最近注目されている概念にbendopnea(ベンダプニア)という概念があります.
心不全の自覚症状のスクリーニングとして用いられるbendopnea(ベンダプニア)ですが,まだご存じない方も多いのではないでしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたいbendopnea(ベンダプニア)についてご紹介させていただきます.
注目されるbendopnea(ベンダプニア)
実はこのbendopnea(ベンダプニア),心不全の一つの症状であるという報告がUniversity of Texas Southwestern Medical Center のJennifer Thibodeau博士ら研究グループによって,米専門誌「Journal of the American College of Cardiology」に発表されました.
特別な機器を使用すること無く簡便に心不全の自覚症状を把握できるため,最近注目されております.
bendopnea(ベンダプニア)とは?
bendopnea(ベンダプニア)は前屈呼吸苦とも表現されます.
近年,心不全症例の呼吸苦の評価法として注目されております.
座位姿勢から靴ひもを結ぶように前屈し,そのままの姿勢で30秒間姿勢を保つ間に息切れが生じるか否かを評価します.
前屈姿勢になることで腹腔内圧が上昇し左室末期拡張圧が上昇するために息切れが生じるとされており,心拍出量が低下しているクライアントや肺動脈楔入圧が増加しているクライアントでは息切れが生じる割合が高くなります.
安静時には息切れが生じない症例であっても,前屈位での不可での心不全の身体所見の有無を確認できます.
心不全症例の3分の1に見られる?
bendopnea(ベンダプニア)は,従来は「太っているからお腹がつかえている」と解釈されることがほとんどでした.
しかしながら心臓のカテーテル治療を受けるために受診した102例の症例さんを対象にベンダプニアの症状の有無を確認したところ,およそ3分の1の人たちにこの症状があることがわかりました.
bendopnea(ベンダプニア)の評価
bendopnea(ベンダプニア)の評価の評価ですが,以下のような方法で行われます.
クライアントが椅子に座り腰を曲げ,足に触れる.
曲げてから30秒以内に呼吸困難感が生じれば,bendopnea(ベンダプニア)があると判断する
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたいbendopnea(ベンダプニア)についてご紹介させていただきました.
非常に簡単に実施できますのでこれは知っておきたいですね.
参考文献
Characterization of a novel symptom of advanced heart failure: bendopnea.
Thibodeau JT, Turer AT, Gualano SK, Ayers CR, Velez-Martinez M, Mishkin JD, Patel PC, Mammen PP, Markham DW, Levine BD, Drazner MH.
JACC Heart Fail. 2014 Feb;2(1):24-31.