地方のリハビリテーション専門学校が経営難で自治体が1億円の補助金予算
理学療法士・作業療法士養成校の乱立が各地方で起こっておりますが,人口が減少する地方では恐れていた事態が起こってきております.
リハビリテーション専門学校が経営難に陥り,自治体が1億円の補助金を予算として計上したというニュースです.
税金を使ってまで理学療法士を増やす必要がありますかね?
今回は地方のリハビリテーション専門学校が経営難で自治体が1億円の補助金予算を計上したというお話です.
ニュースによると(中国新聞デジタル)
入学者数の低迷で経営難が続く浜田市三隅町の専門学校「リハビリテーションカレッジ島根」を存続させるため、市は市は運営資金として1億円を補助する。
運営する学校法人が「2023年度に債務超過に陥る恐れがある」とし、市などへ支援を求めていた。
市は、同校存続による地元への経済効果などのメリットを強調する。
市によると、運営する学校法人同志舎は近年6千万~8千万円程度の赤字が続いている。
入学者数は定員120人に対して50人前後で推移。
18歳人口の減少に加え、リハビリ人材養成校が全国で増加しており、力を入れている海外からの留学生の確保も新型コロナウイルス禍で難航しているという。
同法人は2月24日、市長と市議会議長に対し、支援を求める要望書を提出。
「現在の状況が続けば23年度に債務超過に陥り、金融機関からの借り入れが困難になる。
学校経営が立ちゆかなくなる恐れがある」と訴えていた。
市は3日、市議会定例会議に、補助金1億円を含む2021年度一般会計補正予算案を追加提出した。
補助金は人件費や教育研究のための旅費、光熱費などに充てられる。財源はふるさと納税を積み立てたふるさと応援基金。
補助金を支出する理由について市は、地域のリハビリ人材の育成や、地元の進学希望者の受け皿確保などを挙げる。
さらに、学校の備品購入や学生の生活費の支出などで地元への経済効果が年約1億2千万円、市への地方交付税が年約3千万円あると試算する。
同校は1998年に開校。
08年度に旧経営陣の不祥事が発覚して以降、入学者数は黒字ラインとする80人を下回る状況が続いている。
市は10年度に2億円を無利子融資し、20年度に5千万円追加融資した。
また、入学金助成と臨床実習費助成として10年度から毎年約700万~2千万円を支出している。
市関連施設支援室は「200人の学生が地域にいることは市にとって重要。1億円は大きな財政負担だが無駄にならない」と話した。
地方の専門学校は厳しい
この養成校は理学療法学科・作業療法学科・言語聴覚療法学科の3学科があるようですが,120名定員に対して50名に満たないというのはかなり厳しい状況ですね.
島根県のような少子高齢化が進んだ都道府県の専門学校はまず一番に淘汰される可能性が高いです.
そもそも島根県の人口でリハビリテーション用養成校が3校も必要かといった話もあります.
厳しいようですが淘汰されるのは仕方ないことだと思います.
今後は地方を皮切りに同じような現象が10年以内に各地域で起こる可能性が高いです.
順番の問題です.
ニュースでは不祥事がどうこう書かれておりますが,不祥事だけの問題ではありません.
少子化が進む中で理学療法士を目指す人口が減少しているわけですから,こういった問題はどの地域でも今後起こり得ます.
田舎の専門学校ほど厳しい戦いになるでしょうね…
税金を使って余り始めている理学療法士を養成する必要があるのか?
また今回のニュースで最も気になったのは公費を使って余り始めている理学療法士を養成しているといった点です.
自治体の住民がどう感じるかわかりませんが,1億円の補助金を投じるほどの社会的な価値があるとは正直思えません.
コロナ禍や物価の上昇に伴う現状を考えればもっとも他にお金を投じるところはあるのではないかと思ってしまいます.
市議会議員と養成校関係者の癒着すら疑ってしまいたくなります.
中西 康裕/今村 知明 メディカ出版 2019年06月25日頃
吉田直紀/中川将吾 学研メディカル秀潤社 2021年06月30日頃
今回は地方のリハビリテーション専門学校が経営難で自治体が1億円の補助金予算を計上したというお話でした.
今後こういった問題は増えていくでしょうね.
ついに出たかという感じですが,序章に過ぎない気がします.