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理学療法士・作業療法士にとって口述発表よりもポスター発表の方が難しい?
理学療法士・作業療法士が学会発表する際の形式には口述発表やポスター発表があります.
一般的には口述発表の方がハードルが高いと考えられることが多いですがはたしでそうでしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士にとって口述発表よりもポスター発表の方が難しい側面もあるといったお話です.
口述で採用されなかったからポスター発表
学会でよくあるのは質の高い優秀演題候補が口述発表に選出され,優秀演題候補から落選した発表がポスター発表になるといった考え方です.
確かに学会運営の方法によってはそういった運用をしている学会も少なくありません.
ポスター発表を行うことが決まった際に,口述発表に選出されなかったことを落胆する理学療法士・作業療法士もいるでしょう.
なんとなくポスター発表って口述発表からもれた演題の行く末とのイメージを持たれることが多いです.
ただポスター発表って実は口述発表より難しい側面があります.
聴衆者は事前に予習ができる
ポスター発表の場合には発表内容を発表時間より前に掲示することになります.
また昨今のオンライン学会ではポスターのデータを学会の開催期間中いつでも閲覧できるように開示します.
場合によっては学会開催期間よりも前に開示されることも多いでしょう.
そのため発表者からすると相手に自分の発表を予習されてしまうということになります.
その分野の深い知識を持つ専門家が発表のハイライトとオチを知っている状況ですから,口演発表と同じプレゼンでは満足してもらえないことになります.
聴衆者としてはかなり長い時間を質問準備に当てられますから,鋭い質問が飛び交うことも予測されます.
これも考え方次第ですが発表する側としては,聴講者に対して事前にしっかりと準備期間を設けられますので,より意味のあるディスカッションを交わすことができると考えることもできます.
物理的距離が近い
口述発表の場合には演者は壇上に上がることが多いと思いますので,座長や聴衆との間に一定の物理的距離があります.
聴衆にとっても,質問する際はマイクを要求し会場内の聴衆全員の前で話すため,ある程度の心理的ハードルが課されます.
しかしながらポスター発表となるとどうでしょうか?
至近距離に座長や聴衆者がいて,人気があるポスターではポスターの前がごったがえしていることもあります.
距離が近いとなんとなく圧迫感があって緊張してしまうということもあるでしょう.
また口述発表では聞けないような「ぶっちゃけどうなんですか?」といったような質問が飛び交うこともあります.
フリータイムの場合には質問時間も口述発表に比較して長いことが多いので,発表する側としては質問に答えるのが大変な場合もあるでしょう.
今回は理学療法士・作業療法士にとって口述発表よりもポスター発表の方が難しい側面もあるといったお話でした.
ポスター発表だからといって落胆することもありません.
実はポスター発表の方が聴衆者との交流も図れ得られるものも多かったなんてこともあります.
ポスター発表<口述発表といった認識が少しでも変わるとよいですね.