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来年度から誕生する準介護福祉士って知っていますか?
理学療法士・作業療法士であれば准看護師という資格はよく耳にされると思いますが,準介護福祉士という資格ができるのをご存じですか?
今回は来年度から誕生する準介護福祉士について考えてみたいと思います.
介護福祉士の資格取得のルート
介護福祉士は介護資格の中でも唯一の国家資格です.
しかしながら介護福祉士の義務化に向けての議論があるのをご存じでしょうか?
現行では介護福祉士の資格を取得するには「実務経験ルート」「福祉系高校ルート」「養成校ルート」の3つがありますが,国家試験を受けずに資格が得られる養成校ルートは,今後国家試験を義務化することが決まっています.
準介護福祉士とは?
準介護福祉士というのは養成校を卒業した者で試験に不合格になった,もしくは試験を受験しなかった者に付与される資格となります.
国家試験受験までのカリキュラム時間数が増加し,国家試験受講が必須となったため,国家試験に合格するまでの間,准介護福祉士を名乗れるといった仕組みのようです.
上述したように准介護福祉士というのは,養成校を卒業した者において介護福祉士の試験で不合格になった者,もしくは受験しなかった者に付与される資格ですので,准介護福祉士そのものの受験制度は存在しません.
「准」とありながら現場では介護福祉士と同一労働を強いられる?
介護福祉士であれば特定の研修を受ける事などの条件がありますが,痰吸引は可能です.
一方で准介護福祉士は痰吸引が出来ないと定められております.
ただ他の仕事はどうかというと基本的に準介護福祉士と介護福祉士で大きな差はありません.
また准介護福祉士の業務範囲の制限等というものも,ブラックな現場ではうやむやにされて結局のところ介護福祉士と同じ働きをするということが多くなるでしょう.
介護人員の確保戦略?
結局のところこの准介護福祉士制度というのは,介護福祉士の下の階層をつくって外国人の技能実習生に借金させて働かせるための準備といった見方もあります.
借金漬けにしてすぐ辞めないようにして低い賃金で働かせるわけです.
儲かるのはブローカー,斡旋業者ですよね.
雇用する側としては日本人より安い労働力を獲得できるわけですからね.
本邦の高齢化が進行する中で,少しでも介護人員を確保するための戦略と言えるでしょう.
准看護師の場合には
今回の準介護福祉士と聞くと准看護士をイメージされる方も多いと思います.
しかしながら准看護士と準介護福祉士の場合にはまったく制度自体が異なります.
准看護士の場合には看護学校を卒業して国家試験に不合格になっても准看護師にはなれません.
准看護師の場合には都道府県知事が管轄する試験に合格する必要があります.
准介護福祉士と准看護師であまりにも制度が異なりますので,このあたりは紛らわしいですね…
准理学療法士はあり得ない
理学療法士の場合はどうでしょうか?
理学療法士の場合には既に供給が需要を上回りつつあり,飽和している状況です.
したがって准理学療法士制度というのは不要ですし,あり得ないでしょうね.
今回は来年度から誕生する準介護福祉士について考えてみました.
理学療法士・作業療法士の皆様も準介護福祉士の方と一緒にお仕事をされることになるかもしれませんので,準介護福祉士制度について知っておきたいですね.