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病棟で歩行練習・日常生活動作練習を行って他職種にアピールしよう
理学療法士・作業療法士であれば歩行練習や日常生活動作練習を行う場合に,リハビリテーション室で練習を行う場合と,病棟で練習を行う場合があると思います.
病棟で練習を行う場合には生活の場で実際に練習を行ってクライアントのADLの自立につなげるといった大きな目的がありますが,実は病棟で歩行練習や日常生活動作練習を行うのって他職種へのアピールにもつながるんですよね.
今回は病棟で歩行練習・日常生活動作練習を行って他職種にアピールしようといったお話です.
ADLに直結する
病棟で歩行練習や日常生活動作練習を行う一番の利点は,ADLに直結するといった点です.
リハビリテーション室の限られた環境では歩行に問題が無い状況でも,注意障害等の高次脳機能障害を合併しているとリハビリテーション室ではできていた動作が病棟ではできないなんてこともけっこうあります.
生活環境に合わせてトレーニングを繰り返して行うのってとても重要です.
看護師にアピールできる
また病棟で歩行練習や日常生活動作練習を行うことでクライアントの能力を看護師に理解してもらうこともできます.
カンファレンスなんかでこのクライアントはこれくらい歩行ができますなんて伝えてもなかなか伝わりにくい側面がありますが,実際に病棟で動作を見てもらえば現在のクライアントの状況を詳細に伝えることができます.
場合によっては看護師の方から,「見守りでトイレ行きましょうか?」とか「これなら介助でやってみましょうか?」なんて提案をいただけることもあるかもしれません.
病棟での歩行練習や日常生活動作練習というのは看護師へアピール絶好の場です.
私の経験上も病棟での練習のおかげでできるADLとしているADLを近づけることができたなんてことは非常に多いです.
医師にも状況がわかりやすい
場合によっては医師にも歩行状況を確認してもらうことができるかもしれません.
口頭では伝わりにくい異常歩行を医師と共有することが出来ますし,歩行を見てもらったことがきっかけで新しい薬物療法を開始するなんてこともあるかもしれません.
やはり百聞は一見にしかずなわけですね.
クライアントのアピールだけでなく理学療法士や作業療法士がクライアントの動作支援を行ってくれているといった意味でも医師へのアピールになりますよね.
理学療法士・作業療法士に対して医師が抱く昔のイメージってリハビリテーション室でこもってなんかやってるくらいの印象だったりしますからね.
クライアントの意欲を向上できる
さらに病棟で歩行練習や日常生活動作練習を行うことでクライアントの意欲を向上させることができるかもしれません.
歩行中に「頑張ってるね」なんて医師に声をかけられたらクライアントの意欲が向上することは間違いありません.
また看護師に「もう杖歩行できるようになったんだね」なんて声をかけてもらえればクライアントは嬉しくてしょうがありません.
今回は病棟で歩行練習・日常生活動作練習を行って他職種にアピールしようといったお話でした.
病棟での練習は大切ですがただただ毎日病棟で散歩をすればよいというものでもありません.
理学療法士・作業療法士は目的を明確にした上で病棟での練習とリハビリテーション室での練習をうまく使い分けてプログラムを組めるとよいですね.
時間が無いから今日は病棟でなんてやり方はあまり勧められませんね…