目次
経鼻カニュラ,酸素マスク,リザーバーマスクってどう使い分けるか知っていますか?
理学療法士・作業療法士が酸素療法をされているクライアントを担当する機会というのは多いと思います.
酸素療法にもさまざまな種類がありますが,理学療法士・作業療法士が適切にリスク管理を行うためには,酸素療法の種類について知っておく必要があります.
酸素療法の種類
酸素療法には以下のような種類があります.
経鼻カニュラ
酸素マスク
リザーバー付き酸素マスク
ネブライザー付き酸素救急き
ネーザルハイフロー
一般的に理学療法士・作業療法士が目にすることが多いのは上の3つでしょうか.
酸素分量と酸素濃度の関係
酸素療法の種類を考える場合には,酸素分量と酸素濃度の関係を考慮することが重要となります.
まずは経鼻カニュラにおける酸素分量と酸素濃度の関係についてです.
酸素流量1ℓ:酸素濃度24%
酸素流量2ℓ:酸素濃度28%
酸素流量3ℓ:酸素濃度32%
酸素流量4ℓ:酸素濃度36%
酸素流量5ℓ:酸素濃度40%
酸素流量6ℓ:酸素濃度44%
まずは経鼻カニュラにおける酸素分量と酸素濃度の関係についてです.
次に酸素マスクにおける酸素分量と酸素濃度の関係についてです.
酸素流量5~6ℓ:酸素濃度40%
酸素流量6~7ℓ:酸素濃度50%
酸素流量7~8ℓ:酸素濃度60%
最後にリザーバー付き酸素マスクにおける酸素分量と酸素濃度の関係についてです.
酸素流量6ℓ:酸素濃度60%
酸素流量7ℓ:酸素濃度70%
酸素流量8ℓ:酸素濃度80%
酸素流量9ℓ:酸素濃度90%
酸素流量10~15ℓ:酸素濃度90%~
酸素療法の種類と使い分け
経鼻カニュラは7ℓを超えると鼻腔粘膜を損傷する可能性があるので基本的には6ℓまでが上限となります.
文献によっては5ℓを上限としているものもあります.
酸素濃度の効率から考えても6ℓ以上は酸素マスクの使用が望ましいと考えられます.
ではなぜ5ℓ未満では酸素マスクを使用しないのでしょうか?
酸素流量が低いと呼気中の二酸化炭素がマスク内に溜まり再吸入してしまいます.
リザーバーマスクは高濃度の酸素を投与したいときに使用します.
今回は経鼻カニュラ,酸素マスク,リザーバーマスクってどう使い分けるかについて考えてみました.
意外と理学療法士・作業療法士が知らない知識も多いところだと思いますのできちんと整理しておきたいですね.