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理学療法士・作業療法士の有給休暇って買い取ってもらえるの?
4月になれば有給休暇が消滅してしまうといった理学療法士・作業療法士も多いでしょう.
そもそも有給休暇を完全に消化できている理学療法士・作業療法士ってかなり少ないと思いますので,そうであれば有給休暇を買い取ってほしいなんて考える理学療法士・作業療法士もいらっしゃると思います.
でも理学療法士・作業療法士の有給休暇って買い取ってもらえるのでしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士の有給休暇って買い取ってもらえるのかについて考えてみたいと思います.
有給休暇の買い取りは労働基準法39条違反
有給休暇の買取りは,基本的には労働基準法39条違反であり許されません.
というのも有給休暇の趣旨は,賃金はそのままに,労働者である理学療法士・作業療法士に休暇を取得させて心身の疲労を回復させる点にあるからです.
有給休暇を買い取ってしまうと,労働者である理学療法士・作業療法士が休暇を取得し心身の疲労を回復することができなくなってしまいます.
そのため基本的には有給休暇の買い取りはNGなのです.
理学療法士・作業療法士の有給休暇の買取りが許される場合
理学療法士・作業療法士の場合にも有給休暇の買取りは基本的には認められませんが,一部例外もあります.
理学療法士・作業療法士を雇用する病院や施設側が理学療法士・作業療法士に対して労働基準法39条の日数を超えるような有給休暇を与えている場合,法定分を超える有給休暇の買取りをすることについては違法とはなりません.
これは労働基準法39条では,定める日数の休暇を取得させて理学療法士・作業療法士のの心身の疲労を回復させることが趣旨であり,規定の日数を超える有給休暇を買い取ったとしても,上記の趣旨に反するとはいえないからです.
例えば労働基準法上10日の有給休暇が認められる理学療法士・作業療法士に対して,病院や施設側が12日の有給休暇を与えていた場合に,法定分を超える2日分について買い取ることが可能となるわけです.
また有給休暇を残したまま退職する理学療法士・作業療法士から買取りをする場合も,違法ではありません.
退職後には理学療法士・作業療法士が有給休暇の時季を指定する権利を行使することができないわけですから,買い取りしても問題無いわけですね.
さらに理学療法士・作業療法士が2年間有給休暇を使用せずに,時効となって消滅した分を買い取る場合も許されます.
この場合にも,理学療法士・作業療法士は有給休暇をすでに取得することができないわけですから,買い取ったとしても理学療法士・作業療法士の有給休暇の取得を妨げることにはならないからです.
有給休暇っていくらで買い取ってもらえるの?
まず基本的なところですが,病院や施設側には消化できない有給休暇を買い取る義務はありません.
買い取るかどうかは病院や施設の方針で決定されるということになります.
また病院や施設が有給休暇を買い取る場合の金額についての基準はなく,理学療法士・作業療法士と病院や施設側で話し合って決定することになります.
次有給休暇の単価に関する法律の定めはありませんので,病院や施設が独自に設定できてしまうわけです.
多くは月給を1カ月の平均的な労働日数で割った金額や一定額にするなど算出方法はさまざまですが,場合によっては1日当たり500円と激安で提示される場合もあるでしょう.
今回は理学療法士・作業療法士の有給休暇って買い取ってもらえるのかについて考えてみました.
上述したように基本的には理学療法士・作業療法士の有給休暇は買い取ってもらえないと考えた方が良いでしょう.
消滅するような有給休暇であれば,計画的に取得して有意義に使いたいですね.