人工股関節全置換術後の性行為

人工股関節全置換術
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人工股関節全置換術後の性行為

人工股関節全置換術後に起こる合併症として脱臼が挙げられます.

以前に比較すると本邦における脱臼発生率というのは減少傾向にはありますが,アプローチによって禁忌肢位が存在するのは皆様もご承知の通りです.

脱臼肢位に関連して気になるのが性行為です.

性行為を行う場合にはさまざまな体位が存在しますが,人工股関節全置換術後の性行為においてどういった点に注意する必要があるのでしょうか?

今回は人工股関節全置換術後の性行為について考えてみたいと思います.

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今回ご紹介する論文

J Arthroplasty. 2014 Mar;29(3):640-7. doi: 10.1016/j.arth.2013.07.043. Epub 2013 Sep 7.

Sexual activity after total hip arthroplasty: a motion capture study

Caecilia Charbonnier 1, Sylvain Chagué 1, Matteo Ponzoni 2, Massimiliano Bernardoni 2, Pierre Hoffmeyer 3, Panayiotis Christofilopoulos 3

Affiliations expand

PMID: 24018159 DOI: 10.1016/j.arth.2013.07.043

今回ご紹介する論文は2014年に掲載された論文です.

 

 

 

 

 

 

 

研究の背景

Relative risk of impingement and joint instability during sexual activities after total hip arthroplasty (THA) has never been objectively investigated. Hip range of motion necessary to perform sexual positions is unknown.

人工股関節全置換術(THA)後の性行為におけるインピンジメントや関節不安定性の相対的リスクは,これまで客観的に調査されておりません.

また性行為を行うのに必要な股関節の可動域は不明であります.

 

 

 

 

 

 

 

研究の方法

A motion capture study with two volunteers was performed. 12 common sexual positions were captured and relevant hip joint kinematics calculated. The recorded data were applied to prosthetic hip 3D models to evaluate impingement and joint instability during motion. To explore the effect of acetabular component positioning, nine acetabular cup positions were tested.

健常成人を対象としてモーションキャプチャーを用いて研究を行っております.

12の一般的な性行為の体位を撮影し,関連する股関節運動を計算しております.

記録したデータを人工股関節の3Dモデルに適用し,動作中のインピンジメントや関節の不安定性を評価しております.

臼蓋コンポーネントのポジショニングの影響を調べるために,9つの臼蓋カップポジションをテストしております.

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

Four sexual positions for women requiring intensive flexion (> 95°) caused prosthetic impingements (associated with posterior instability) at 6 cup positions. Bony impingements (associated with anterior instability) occurred during one sexual position for men requiring high degree of external rotation (> 40°) combined with extension and adduction at all cup positions.

過度の屈曲(95°以上)を必要とする女性の4つの性的ポジションは,6つのカップポジションで人工股関節のインピンジメント(後方の不安定性に関連する)を引き起こすことが明らかとなりました.

男性の場合には,40°以上の高度な外旋と伸展・内転を必要とする1つの性行為では,すべてのカップポジションで骨のインピンジメント(前方不安定性を伴う)が発生しております.

 

 

 

 

 

 

 

研究の結論

This study hence indicates that some sexual positions could be potentially at risk after THA, particularly for women.

この研究結果から,特に女性においてTHA後にリスクを伴う可能性のある性的体位があることを示しております.

 

今回は人工股関節全置換術後の性行為について考えてみたいと思います.

男性では前方アプローチの場合に,女性では後方アプローチの場合に脱臼肢位に該当する姿勢を取ってしまう可能性がありますね.

二次性変形性股関節症例の場合には年代が40代の人工股関節全置換術例も少なくありませんので,このあたりも何かしらの指導は必要かもしれませんね.

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