目次
理学療法士・作業療法士になぜ過剰な単位のノルマが課せられるのか?
先日,京都府の医療機関で疾患別リハビリテーション料の不正請求が発覚しました.
この不正請求は氷山の一角にすぎないものだと思いますが,こういった不正請求の大きな原因として理学療法士・作業療法士への過剰な単位のノルマというのが挙げられます.
しかしながらこういった過剰な単位のノルマというのはなぜ課されるのでしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士になぜ過剰な単位のノルマが課せられるのかについて考えてみたいと思います.
1日20単位以上のノルマは過剰?
理学療法士・作業療法士というのは1単位20分という枠組みの中で仕事をしていることが多いと思います.
1単位が20分ですから例えば20単位取得するとなれば単純に400分,6時間40分の時間がかかることになります.
仮に理学療法士・作業療法士の労働時間が8時間だとすると,クライアント対応以外の時間は1時間20分ということになります.
この1時間20分でクライアントとクライアントの間の移動,情報収集,カンファレンス,カルテ記録全てをこなすというのは不可能に近いです.
理学療法士・作業療法士がカンファレンスや書類の時間を確保するためには単位を減らすことしかできないわけですが,ノルマとして18単位や20単位といった単位数が掲げられている施設も少なくないのが現状です.
ノルマの単位数が20単位の場合には,単位数を減らすことなく,残業をしないというのは実際のところは不可能に近いと思います.
このうえ症例報告しろなんて言われてもできるわけがありません.
残業せずに1日20単位を取得するには
しかしながら世の中には残業をすることなく1日20単位を毎日のように取得している理学療法士・作業療法士も多く存在します.
かなり優秀な理学療法士・作業療法士ですね.
では残業をすることなく1日20単位取得する裏技というのはどのようなものでしょうか?
方法は1つしかありません
クライアント1人あたりのリハビリテーションの提供時間を短縮するという裏技です.
これは裏技というよりは不正なわけですが…
先日,京都府の医療機関で疾患別リハビリテーション料の不正請求が発覚したわけですが,あの報道というのは氷山の一角にすぎません.
実際には全国のさまざまな施設で不正請求が行われている現状があると思います.
20単位取得したのに残業せずに帰宅とか,20単位取得しているのに15時には業務が終わっている理学療法士・作業療法士がけっこういたりします.
理学療法士・作業療法士の価値は単位の売り上げだけ?
なぜ単位のノルマが課されるのかについて考えてみると,一番は理学療法士・作業療法士の価値が単位の売り上げでしか評価されていないことが多いためだと考えられます.
リハビリテーション部門を収益部門としてとらえれば診療報酬上である売り上げ,つまり単位数のノルマを設定するのは当然と言ってもよいかもしれません.
過剰な単位のノルマが課されるのって,結局のところリハビリテーション部門の管理者がリハビリテーション部門の売り上げについて病院経営部ときちんと話をできていないことが原因のことが多いでしょう.
どのくらいの単位数が現実的かをきちんと主張できないまま,ただただ経営部門の言いなりになってしまって,弱い立場のスタッフに21単位を回ってと言わざるを状況が起こっているものと考えられます.
結局は過剰な単位の設定って管理者の能力不足のために起こっていることがほとんどでしょうね.
理学療法士・作業療法士の価値を単位でしかアピールできない管理者の無能さが過剰なノルマを生む
また理学療法士・作業療法士の価値が単位の売り上げでしか評価されないというのも残念ですよね.
経営陣に対して単位数でしか理学療法士・作業療法士の価値を売り込めない管理者なんて無能すぎます.
理学療法士・作業療法士の価値って本当に単位だけですかね?
間接的に収益に貢献できることって他にも多くありますよね?
昨今であれば医師の仕事の負担を軽減するような理学療法士・作業療法士の役割だって考えることが出来ますし…
結局のところリハビリテーション部門の管理者が単位以外の部分で理学療法士・作業療法士の価値をアピールできないと過剰なノルマにしばられた部門運営になってしまうわけですよね.
今回は理学療法士・作業療法士になぜ過剰な単位のノルマが課せられるのかについて考えてみました.
管理者の無能さが過剰な単位のノルマを生み,不正請求を発生させている可能性が高いです。
時代も時代ですから,健全な部門運営がなされるように管理者は経営者と十分に話をする必要があるでしょうね.
ノルマ21単位が18単位になったとしてもリハビリテーション部門というのは赤字部門にはならないはずですが…