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理学療法士・作業療法士も知っておきたい大安・赤口・先勝・友引・先負・仏滅の意味するところ
理学療法士・作業療法士であれば高齢者が退院日を決定する時に,○日が大安だから○日に退院したいなんて話を耳にされたことがあると思います.
今の高齢者ってけっこう大安とか仏滅とか気にされますよね.
不幸にして入院が必要となったわけですので,再入院にならないように大安にすがりたい気持ちもわからなくはありません.
でも理学療法士・作業療法士の皆様は大安・赤口・先勝・友引・先負・仏滅の意味するところをご存知ですか?
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい大安・赤口・先勝・友引・先負・仏滅の意味するところについて考えてみたいと思います.
六曜とは?
よくカレンダーに先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の文字が書いてあります.
これは六曜とよばれます.
現在私たちは月火水木金土日の七曜を使っていますが,明治時代以前はこの六曜が使用されておりました.
もとは中国の占いで,日本には鎌倉時代末期から室町時代にかけて伝来したようです.
江戸時代末期には,すっかり庶民の間に定着しました.
六曜は先勝→友引→先負→仏滅→大安→赤口の順で6日で一回りし,これを5回繰り返すと30日,つまり1ヶ月となるわけです.
旧暦では毎月1日の六曜は固定されており,1月1日は先勝,2月1日は友引とこれも同じ順番で回り,6月1日の赤口で一回りします.
7月1日はまた先勝から始まるわけですね.
先勝
『せんしょう』『さきがち』『せんかち』などと読まれ,何事も早く行うのがよいとされます.
午前は吉で午後は凶とされる日です.
仮にこの日に退院をするなら,午前中に退院してしまうのが良いでしょう.
友引
もとは何をしても勝負がつかず引き分けになるという日で,朝晩は吉,昼は凶とされます.
陰陽道で災いが友人に及ぶ方角のことも『友引』といい,この意味と本来の引き分けという意味が混同され,友引の日に葬式を行うのが縁起が悪いと考えられるようになったようです.
友引に退院するなら朝晩ということになります.
先負
『せんぶ』『せんまけ』『さきまけ』と読みます.
急用や争いごとを避け静かに待つのがよいとされる日です.
基本的には退院には向いていない日ですが,午前は凶,午後は吉とされておりますので,退院するなら午後からが良いでしょう.
仏滅
すべてが凶とされる日です.
一般的にお祝い事や引越しは避けられることが多いです.
この日だけは退院を避けたいと言われる高齢者が多いですね.
大安
『大いに安し』の意味で,万事が吉とされる日です.
結婚式に人気の日です.
縁起を担いで退院もこの日を選ぶ人が多いです.
赤口
『しゃっこう』『じゃっこう』『せきぐち』などと読みます.
正午のみ吉の凶日です.
この日は退院を避けられる傾向にあります.
高齢者が好む退院日は?
ある調査によるとまず入院や初めて受診する日には先勝,友引,先負,仏滅,大安,赤口の六曜との間には関連性がありませんでしたが,死亡退院と転科退院を除いた78,259件の退院者の内,大安の退院者は15,956件,仏滅の退院者は11,366件となっております.
他の日は12,000~13,500前後で明らかに大安の退院が多く,仏滅に少ないことが示されております.
一方で大安の退院者は仏滅の退院患者よりも平均入院日数が9日間も長いといった結果で,仏滅以外の退院者よりも5~6日入院が長くなっているといった結果でありました.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい大安・赤口・先勝・友引・先負・仏滅の意味するところについて考えてみました.
高齢者の大安へのこだわりはどうしようもないところがありますが,六曜に合わせるために入院期間が延長してしまうのは考え物ですよね.