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理学療法士・作業療法士がカルテ記録で使用する「プラス(+)」と「マイナス(-)」がいきすぎている
理学療法士・作業療法士であれば毎日クライアントに理学療法や作業療法を提供したら,カルテに記録をされると思います.
カルテに記録を行うときに便利なのが「プラス(+)」と「マイナス(-)」による表記です.
ただこの「プラス(+)」と「マイナス(-)」の表記がいきすぎてしまうと,とんでもない使い方を平然と続けてしまうことになります.
今回は理学療法士・作業療法士がカルテ記録で使用する「プラス(+)」と「マイナス(-)」がいきすぎているといったお話です.
「プラス(+)」や「マイナス(-)」は何を意味するのか?
一般的に(+)は陽性,(-)は陰性を意味するものです.
また単純に「ある・ない」の意味でも用いられます.
陽性・陰性の意味で用いられるの場合には,検査結果が多いでしょうね.
バビンスキー反射(+)とすればバビンスキー反射が陽性であることを意味しますし,Ober test(-)と表記すればOber testが陰性であったことを意味します.
「±」,「++」,「+++」といった表記も
検査結果に用いられる場合には,陽性に関しては「どの程度陽性なのか」という目安が必要になる場合もあります.
そのため「±」,「++」,「+++」といった表記も用いられることが多いです.
明らかな陰性ではないものの,誤差の範囲内レベルでの陽性を偽陽性(±)
陽性ではあるがあまり強くない反応のものを弱陽性(+)
弱陽性のレベルを越えているものを陽性(2+または++)
明らかに強いレベルの陽性反応を強陽性(3+または+++)
このような感じです.
ただこれってあくまで検査結果にもといられる場合ですので,例えば疼痛が強い時に疼痛++なんて記載するのは使い方として誤っていることになります.
「+(プラス)」と「-(マイナス)」の誤用
下腿の浮腫(+)⇒下腿の浮腫がよくなった
疼痛(+)⇒疼痛が加わった
倦怠感(-)⇒倦怠感が軽減
おわかりのようにこれらはいずれも不正解です.
基本的には「+(プラス)」と「-(マイナス)」は「あり」「なし」を意味しますのでこの場合には,
下腿の浮腫(+)⇒下腿の浮腫あり
疼痛(+)⇒疼痛あり
倦怠感(-)⇒倦怠感無し
という意味になります.
いずれにしてもこういった表記って紛らわしいですよね.
できれば下腿の浮腫ありって記載した方が間違いがありませ.
「プラス(+)」を使いすぎると違和感が
私が以前,情報提供を受けた書類の中にこんな文面がありました.
かなり簡略化できるためにこういった「プラス(+)」を用いるのかもしれませんが,いかにも頭が悪そうですよね…
少し誇張したところがありますが,こういった「プラス(+)」の使い方が誤った文面を見ると同じ理学療法士としては恥ずかしいと思わざるを得ません.
少なくとも「+(プラス)」と「-(マイナス)」は「あり」・「なし」といった意味でのみ用いるのがよさそうですね.
今回は理学療法士・作業療法士がカルテ記録で使用する「プラス(+)」と「マイナス(-)」がいきすぎているといったお話でした.
「+(プラス)」と「-(マイナス)」による表記は確かに便利ですが,少なくとも「+(プラス)」と「-(マイナス)」は「あり」・「なし」といった意味でのみ用いるのがよさそうですね.