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理学療法士・作業療法士も知っておきたい心電図モニターに表示されるアラーム表示の意味
急性期医療機関に勤務する理学療法士・作業療法士であれば心臓リハビリテーションに携わる方のみならず,担当しているクライアントが心電図モニターを装着していることって多いと思います.
場合によっては整形外科の術後でも心電図モニターを装着している方もいらっしゃいます.
心電図モニターのアラームが鳴るとなんかびくびくしちゃいますよね.
またアラームと同時に表示される横文字,皆さんはしっかりと理解されていますか?
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい心電図モニターに表示されるアラーム表示の意味について解説させていただきます.
BRADYCARDIA
アラームとともにこういった表示が出たらこれは徐脈を表しています.
心拍数に目を向けると心拍数が少なくなっているのが確認できると思います.
設定にもよりますがHRが40を下回っている際にアラームが鳴ることが多いですね.
看護師が「ブラディ」なんて口にしている場合には,徐脈を表していることになります.
TACHYCARDIA
アラームとともにこういった表示が出たらこれは頻脈を表しています.
看護師さんが「タキった」なんて表現しているのは,このTACHYCARDIAのことです.
心拍数に目を向けると心拍数が多くなっているのが確認できると思います.
設定にもよりますがHRが100を植えわ待っている際にアラームが鳴ることが多いですね.
APNEA
APNEAは無呼吸がある場合のアラームです.
無呼吸の定義ですが,呼吸が10秒以上停止している場合に,無呼吸と判断します.
本当に無呼吸が起こっていてアラームが鳴る場合もありますが,モニターが外れていてAPNEAアラームが鳴っていることも多いですね.
通常,呼吸数というのは12~20回/分が正常で規則的なパターンを示します.
そのためAPNEAアラームが鳴った場合には,視診や触診で呼吸数を確認することも重要です.
PVC(VPC)
PVCは心室期外収縮が出現している場合のアラームです.
心室期外収縮は不整脈の中でも遭遇することが多い不整脈の1つですね.
心室期外収縮ちおうのは,心室で発生した異常な電気刺激によって,正常な拍動が起こる前に心室が活性化され,それにより余分な拍動が生じる病態を指します.
特に虚血性心疾患では,運動による心筋酸素消費の増加や交感神経活性の亢進によって心筋虚血が誘発され,電気的な異所性活動が起きやすくなります.
運動中に出現する不整脈の中で最も多いのは心室期外収縮であり,上室性不整脈,融合収縮がそれに続きます.
心室期外収縮は突然死に関連する可能性があるので十分な注意が必要です.
FREQ VPC
FREQ VPCは心室性期外収縮が頻発している場合のアラームです.
Frequencyというのは頻度とか頻回にといったような意味が含まれますので,これは文字通りですね.
その他にも理学療法士・作業療法士が出くわすことの多いアラームとして以下のようなアラームが挙げられます.
BIGEMINY
心室性二段脈
TRIGEMINY
心室性三段脈
COUPLET
PVC2連発
RUN
PVC3連発
VPC RUN
ショートラン(VPCが連続して3~8拍)
VT
心室頻拍
VF
心室細動
ASYSTOLE 心静止
ここに挙げたアラームは非常に緊急性の高いものばかりですので,理学療法士・作業療法士がこのアラームに遭遇した場合にはすぐに看護師や医師に確認を取る必要があるでしょうね.
今回は理学療法士・作業療法士も知っておきたい心電図モニターに表示されるアラーム表示の意味について解説させていただきました.
モニターの種類によっても多少これらのアラーム表示も異なりますが,基本的には共通する部分も多いです.
理学療法士・作業療法士もアラームの意味を理解して,適切なリスク管理を行った上でリハビリテーションを提供できるとよいですね.