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先輩理学療法士・作業療法士も知っておきたい報連相の本当の意味
今年度から入職された理学療法士・作業療法士の方も多いと思いますが,新人理学療法士・作業療法士にとって重要となるのが報連相です.
新人理学療法士・作業療法士は報連相がきちんとできないと,医療事故の原因となったり,クライアントに不利益が生じてしまうこともあります.
そのため新人理学療法士・作業療法士は先輩や上司へ適切なタイミングで報連相を行うことが重要となります.
ただこの報連相って実は新人理学療法士・作業療法士に対する教育的な意味合いよりも,上司・先輩側にとっても重要な意味合いがあることをご存じでしょうか?
今回は先輩理学療法士・作業療法士も知っておきたい報連相の本当の意味について考えてみたいと思います.
理学療法士・作業療法士の報連相
報連相といえば既に当たり前にはなっておりますが,改めて報連相についてその定義を見てみたいと思います.
報告
部下が上司の指示に取り組みつつ,途中経過を知らせること
連絡
自分の意見や憶測を含めない関係者への状況報告
相談
自分だけで業務上の判断が困難なとき上司に意見をきくこと
こんな感じですね.
理学療法士・作業療法士であればさまざまな場面で報連相を行っていると思います.
報連相の誤解
ただ実はこの報連相は本当の意味を誤解されて使用されていることが多いのも実際です.
報連相は「上司である理学療法士・作業療法士の状況判断に必要な部下である理学療法士・作業療法士からの自発的な情報伝達」を習慣的に行わせるためのしつけとして捉えられていることが多いと思います.
そのため新人教育では必ずこの報連相が取り上げられますし,臨床実習指導におけるオリエンテーションでもこの報連相に関して指導を行う機会は多いと思います.
そもそも報連相の起源は山崎先生の著書にあります.
この著書では,理職が「イヤな情報,喜ばしくないデータ」を遠ざけず,問題点を積極的に改善していくことで,生え抜きでない社員や末端社員であっても容易に報告・連絡・相談が行える風通しの良い職場環境をつくるための手段として報連相を勧めております.
つまり報連相は部下の努力目標ではないということです.
報連相は先輩理学療法士・作業療法士に向けた言葉だった
報連相というのは先輩理学療法士・作業療法士に報告・連絡・相談しなさいといった新人理学療法士・作業療法士に向けた言葉ではなく,新人理学療法士・作業療法士が報告・連絡・相談しやすい環境づくりをしなさいといった先輩理学療法士・作業療法士または管理者の理学療法士・作業療法士に向けた言葉だったわけですね.
考えてみると報連相というのは口酸っぱく報連相を行うようにと指導しなくても,普段から報告・連絡・相談しやすい環境が整っていれば自然と行えるものなわけですね.
こう考えると先輩理学療法士・作業療法士こそが報連相が行いやすいように,新人理学療法士・作業療法士に接したり,報連相に必要な時間を設けたりといった対応をする必要があると考えられます.
今回は先輩理学療法士・作業療法士も知っておきたい報連相の本当の意味について考えてみました.
まさか報連相が教育される若手理学療法士・作業療法士に向けたメッセージではなく,管理者や上司・先輩の理学療法士・作業療法士に向けられたメッセージであったというのは驚きですが,考えてみると納得できる部分も大きいですね.
先輩理学療法士・作業療法士であれば新人理学療法士・作業療法士が報連相が行いやすい環境づくりをしたいですね.