運動を小分けにして行った方がダイエット効果が高い?

運動療法・物理療法
スポンサーリンク
スポンサーリンク

目次

運動を小分けにして行った方がダイエット効果が高い?

理学療法士・作業療法士がクライアントのダイエット目的で運動指導を行う機会は少なくないと思います.

古くから特に脂肪代謝に関しては脂肪の燃焼時間を考慮して長時間の連続した運動がすすめられてきました.

しかしながら小分けにした運動でもダイエットが可能であるといった話も聞きます.

今回は運動を小分けにして行った方がダイエット効果が高いといった研究論文をご紹介させていただきます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回ご紹介する論文

Randomized Controlled Trial Obesity (Silver Spring)

. 2019 Apr;27(4):551-558. doi: 10.1002/oby.22416. Epub 2019 Feb 9.

Effect of a Long Bout Versus Short Bouts of Walking on Weight Loss During a Weight-Loss Diet: A Randomized Trial

Ameneh Madjd 1 2, Moira A Taylor 1, Alireza Delavari 3, Reza Malekzadeh 3, Ian A Macdonald 1, Hamid R Farshchi 1 2

Affiliations expand

PMID: 30737894 DOI: 10.1002/oby.22416

今回ご紹介する論文は2019年に掲載された比較的新しい論文です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の目的

Objective: This study aimed to evaluate the effect of different daily physical activity (PA) frequencies, while maintaining the same daily volume of PA, on weight loss, carbohydrate metabolism, and lipid metabolism in women with overweight or obesity throughout a 24-week intervention.

この研究はでは過体重または肥満の女性を対象として,24週間の介入中に1日の身体活動(PA)の量を同じに維持しながら,1日あたりの身体活動(PA)の頻度を変えた場合の体重減少,炭水化物代謝,脂質代謝への影響を明らかにすることを目的としております.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の方法

Methods: During their weight-loss plan, 65 women (BMI = 27-35 kg/m2 ; age = 18-40 years) who had a sedentary lifestyle were randomly allocated to the following groups: diet plus a long bout of moderate physical activity (LBP) (one 50-minute bout of moderate-intensity PA) 6 d/wk or diet plus short bouts of moderate physical activity (SBP) (two 25-minute bouts of moderate-intensity PA) 6 d/wk. Anthropometric and blood measurements were taken at baseline and at 24 weeks.

対象は研究開始以前に座位を中心とした生活を送っていた65名の女性(BMI = 27.35kg/m2 ,年齢:18-40歳)となっております.

この65名を食事療法+中等度の身体活動(LBP)の長時間実施(中等度の強度のPAの50分の1回)×6時間/週と食事療法+中等度の身体活動(SBP)の短時間実施(中等度の強度のPAの25分の2回)×6時間/週の2群に無作為に割り付けております.

最終的にベースライン時と介入から24週目に体重減少,炭水化物代謝,脂質代謝に関する評価を行っております.

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結果

Results: Compared with the LBP group, the SBP group had a greater decrease in weight (SBP: -8.08 ± 2.20 kg; LBP: -6.39 ± 2.28 kg; P = 0.019), BMI (SBP: -3.11 ± 0.87 kg/m2 ; LBP: -2.47 ± 0.86 kg/m2 ; P = 0.027), and waist circumference (SBP: -8.78 ± 2.62 cm; LBP: -5.76 ± 2.03 cm; P = 0.026). No significant differences were seen in carbohydrate and lipid metabolism characteristics after 24 weeks.

身体活動の長時間実施群と比較して,身体活動の短時間実施群では体重,BMIの減少が大きい結果でありました.

腹囲,炭水化物代謝,脂質代謝には有意差は認められませんでした.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究の結論

Conclusions: PA undertaken in two shorter bouts per day could be more effective for weight loss than PA undertaken in a daily long bout in adult women in a 24-week weight-loss program.

この研究結果から,1日2回の短時間の身体活動の方が,1日1回の長時間の身体活動よりもダイエットに効果的であると考えられます.

 

今回は運動を小分けにして行った方がダイエット効果が高いといった研究論文をご紹介させていただきました.

この研究の考察によると短時間に分けて運動を行った方が速歩の時間が増えたり,歩行距離が長くなる傾向にあり,結果的にダイエット効果が高まったと考えられております.

運動はしたいけれど運動を行う時間が取れないといった方も多いと思いますので,理学療法士・作業療法士も知っておきたい結果ですね.

これまでにも運動の実施時間に関する報告はいくつかありましたが,小分けの運動でも兆時間の運動と同等のダイエット効果が得られるといった結論ものが多かっただけに,小分けの運動が兆時間の運動のダイエット効果を上回るというのは興味深いですね.

コメント

タイトルとURLをコピーしました