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理学療法士・作業療法士による臨床実習指導は業務外?
今年度は多くの養成校で臨床実習が中止となっておりますが,養成校や地域によっては少しずつ実習が再開されているところも増えてきております.
臨床実習指導を行うにあたって指導者である理学療法士・作業療法士によくある悩みとして実習指導のために定時に仕事が終わらないといった悩みです.
皆様の職場ではいかがでしょうか?
臨床実習指導に要する時間というのは業務に含まれてますか?
それとも業務外ですか?
今回は理学療法士・作業療法士による臨床実習指導は業務外なのかについて考えてみたいと思います.
臨床実習指導のために業務量を調整してくれる職場は少ない
これは私の周囲の医療機関における話ですが,実際には臨床実習指導のために業務量を調整してくれる職場は少ないと思います.
臨床実習指導を行う時期にも平時と同じように18単位の取得が義務付けられているなんて施設が多いと思います.
もちろんこの18単位というのは臨床実習指導の時間というのは考慮されておりませんので,臨床実習生を担当することになると通常業務+臨床実習指導となるので当然ながら定時には終わりません.
結果として臨床実習生を担当するのって重荷にしかならないといったパターンが多いと思います.
そもそも施設として臨床実習生を受け入れている時点で,臨床実習指導も1つの業務として考えるべきだと思いますし,仮に業務外として考えるのであれば,はじめから臨床実習生を受け入れるべきではないと思います.
中には実習指導の時間が業務に組み込まれている職場も
まだまだ多くはないと思いますが,職場によっては実習指導時間が業務の中に組み込まれている職場もあります.
担当患者数や取得単位数を減らしてその分を臨床実習指導にあてるといったケースです.
3単位を免除してもらって,定時の1時間前から指導を行うことができればこれは理想ですね.
また昨今は臨床実習性も定時に寄託させる必要がありますので,臨床実習指導が業務内に組み込まれていない場合には,クライアント対応を後回しにしてまずは臨床実習生の帰宅を優先させざるを得ません.
予定に時間を組み込む
臨床実習指導を予定時間に組み込むことができれば,長時間の過度なフィードバックになることもありませんし,リハビリテーション部門として1日当たりの臨床実習指導時間は○分と決めてもらった方が良いですよね.
もちろんクライアント間の移動の際やクライアントの対応中にちょっとした指導はできますし,指導はOJTでという考え方もわからなくはありませんが,完全にOJTだけで指導が行えるほど優秀な学生が少ないのも実際ではないでしょうか.
1日当たりの適切な実習指導時間が何分なのかは難しいところですが,時間を部門内で設定して標準化できれば非常に実習指導が行いやすくなるでしょうね.
臨床実習指導も理学療法士・作業療法士の重要な仕事
学生を担当するのが重荷だなんて意見も聞かれますが,臨床実習指導も理学療法士・作業療法士の重要な仕事です.
きちんと業務時間内に実習指導時間が組み込まれれば実習指導を重荷に感じる理学療法士・作業療法士も少なくなると思います.
実習指導は理学療法士・作業療法士自身の成長にもつながることですし,問題があるのは実習指導を業務外と考えるリハビリテーション部門の体制そのものでしょうね.
今回は理学療法士・作業療法士による臨床実習指導は業務外なのかについて考えてみました.
理学療法士・作業療法士の臨床実習指導時間が業務の一環として組み込まれるのが当たり前となることを切に願います.
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