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理学療法士・作業療法士の皆さんは症状詳記って書いたことありますか?
理学療法士・作業療法士の皆さんは症状詳記って書いたことありますか?
私自身も年に数回は医事部門の事務員さんから症状詳記の記載をと依頼を受けることがあります.
でも症状詳記ってどんなものなのでしょうか?
今回は理学療法士・作業療法士もしっておくべき症状詳記についてご紹介させていただきます.
症状詳記とは?
症状詳記というのはレセプト上の傷病名等のみで診療内容の説明が不十分と思われる場合に必要となる書類のことです.
例えば算定上限日数を超過してリハビリテーションを実施している場合とか,90歳を超えるような超高齢のクライアントに6単位を超えてリハビリテーションを実施しているとかそんな場合に,どうしてリハビリテーションを実施したのかを記載するものです.
リハビリテーションの専門家である理学療法士・作業療法士として,専門的見地からなぜリハビリテーションを実施したのかを記載するわけです.
リハビリテーションにおける症状詳記の際に重要なポイントは?
まず重要なのはクライアントに対してなぜリハビリテーションサービスを提供したかといった理由です.
この理由を記述する際にはいかにそのクライアントにとってリハビリテーションサービスが必要なものであったかを専門的見地から述べることが重要となります.
また専門的見地からリハビリテーションの必要性を述べる場合には,できるだけ客観的に必要性を論じることが重要となります.
ここでは定量的評価から客観的になぜリハビリテーションが必要であったかを述べます.
ここで用いられるアウトカムとしては関節可動域や筋力といった心身機能構造レベルのアウトカムよりも,Functional Indpendence Measureのような活動レベルのアウトカムが望ましいです.
またもう1点非常に重要なのは,理学療法士・作業療法士として記載した診療録の内容はもちろん,医師や看護師といった他職種の診療録の内容と矛盾しない内容を記載することです.
ここに矛盾が生じてしまうと症状詳記自体が説得力のないものとなってしまいます.
リハビリテーションに関する症状詳記の例①
令和2年5月症状詳記
氏名
東京太郎様
年齢
95歳
算定疾患名
大腿骨骨幹部骨折
症状詳記
当患者は95歳と高齢ではありますが,入院時と比較しFIMにおける日常生活動作能力が20点から65点へと向上しております.
リハビリテーションでは,筋力強化練習・バランス練習にて転倒予防に努めております.
日常生活動作上の活動範囲も拡大しており,介助量も軽減しております.95歳と非常に高齢はありますが,能力向上が見込めると考えリハビリテーションを提供しており,今後も能力向上が見込めると考え,引き続きリハビリテーションを提供していく必要があると考えます.
リハビリテーションに関する症状詳記の例②
令和2年5月症状詳記
氏名
大阪花子様
年齢
72歳
算定疾患名
クモ膜下出血
症状詳記
当患者の入院時のFIMは18点であり日常生活全般に介助が必要な状況です.
リハビリテーションでは拘縮予防と離床を図ることを中心に介入を行っており,車椅子座位の耐久時間を延ばし,食事についても車椅子座位で行えるようになってきております.
介入当初は刺激に対する反応性も低い状況でしたが,笑顔も多くなり,クライアントおよびご家族のQOLは向上していると考えられます.
現在はFIMも18点から38点まで改善を認めております.
4月末より運動麻痺にも徐々に改善がみられており,今後の介助量軽減を図るために引き続きリハビリテーションを継続していく必要性があると考えます.
今回は理学療法士・作業療法士もしっておくべき症状詳記についてご紹介させていただきました.
慣れてないと何を書いていいか迷いますが,記載するポイントを絞って客観的に診療録と矛盾のない記述を心がけることが重要です.
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