発症から1年経過していても回復期リハビリテーション病棟へ入棟できるってうそでしょ?

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発症から1年経過していても回復期リハビリテーション病棟へ入棟できるってうそでしょ?

2020年度の診療報酬改定で回復期リハビリテーション病棟への入棟条件の中から,発症からの期間が削除されました.

これまでは脳卒中にしろ,大腿骨骨折にしろ発症または手術から60日以内に回復期リハビリテーション病棟へ入棟する必要がありましたが,今回の改定で発症から60日以上が経過しても回復期リハビリテーション病棟へ入棟することが可能となりました.

でもさすがに1年経過した場合というのはどうなのでしょうか?

今回は回復期リハビリテーション病棟協会発行の機関誌4月号に掲載された発症から数年が経過した場合にも回復期リハビリテーション病棟への入棟が可能かについて考えてみたいと思います.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回復期リハビリテーション病棟協会発行の機関誌4月号における発症からの期間に関する回答

回復期リハビリテーション病棟協会発行の機関誌4月号9ページ目に以下のような質疑に対する回答がなされました.

質問

発症からの期間が年単位で経っている方でも,回復期リハビリテーションの適応疾患を有し,同病棟に入棟しADLの一定の改善が見込める方であれば対象とみなすという考え方でよいか?

 

回答(厚労省課長補佐 原澤氏)

よい

 

疾患別リハビリテーション料を考慮すると発症から6ヶ月しかリハビリテーション料を算定できない?

この回答ですが年単位で経過していても回復期リハビリテーション病棟へ入棟可能とは言っても疾患別リハビリテーション料の算定期間に関しては特に変更が明記されておりません.

算定期間というのは,「発症,手術,又は急性増悪の日から算定する期間とのことを指しますが,このままだと例えば脳梗塞(高次脳機能障害あり)で入棟したとしても発症から1年も経過していれば疾患別リハビリテーション料を算定できないのではないかと思っておりました.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

疾患別リハビリテーション算定上限日を除外できる患者

ただよく考えてみると,回復期リハビリテーション病棟入院料を算定するクライアントというのは,疾患別リハビリテーション料の算定上限日を除外できるといった基準があったのを思い出しました.

これに当てはめて考えると,回復期リハビリテーション病棟での入院期限内であれば,発症から数年経過していても疾患別リハビリテーション料の算定が可能ということになります.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

過去に回復期リハビリテーション病棟へ入棟した症例も入院が可能?

単純に私はもしかして過去に回復期リハビリテーション病棟へ入棟し退院された方でも再入院が可能なのか等と考えてしまいましたが,これはもちろんNGですね.

1年以上経過していればどこまでが新規病名かが分かりにくいですが,基本的には前回入院時とは異なる新たな疾患名が無ければ対象にはならないということになりそうです.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1年が経過して回復期リハビリテーション病棟へ入棟する症例ってどんな場合が想定されるか?

発症してから1年以上も経過して回復期リハビリテーション病棟へ入棟するというのはどういったケースが考えられるでしょうか?

例えば脳腫瘍に対する腫瘍摘出術を行った方で,他の臓器にも腫瘍の転移が見つかり,急性期医療機関で非常に長期にわたる治療を行った場合等が考えられると思います.

1年かかって癌の治療が完了した後に集中的なリハビリテーションを受けるために回復期リハビリテーション病棟へ転院するといったパターンです.

数は非常に少ないかもしれませんが対象者にとっては1年が経過していようがリハビリテーションを受けるべき時期に適切なリハビリテーションを受けられる制度が整ったというのは非常に意義があると思います.

 

今回は回復期リハビリテーション病棟協会発行の機関誌4月号に掲載された発症から数年が経過した場合にも回復期リハビリテーション病棟への入棟が可能かについて考えてみました.

この制度に救われるクライアントは多いでしょうね.

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