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認定理学療法士合格者はどのくらい増えているの?
新型コロナウイルス感染拡大の影響で新生涯学習プログラムへの移行が1年延期されることとなりました.
今年度は認定理学療法士試験が行われる予定にはなっておりませんが,いずれにしても来年度が新生涯学習プログラム移行までに認定理学療法士を取得できる最後のチャンスとなります.
ここ数年は,駆け込み受験者は増加しておりますが,どのくらい増えているのでしょうか?
今回は2018年度までのデータをもとに認定理学療法士数の推移について分野ごとにご紹介させていただきます.
認定理学療法士数の推移
認定理学療法士の新規取得者数ですが2014年度が1,005名,2015年度1,026名,2016年度が1,371,2017年度が1,656名となっておりますが,驚くべきことに2018年度は2,973と,新規の認定理学療法士資格取得者が前年と比較しても約2倍となっており,5年前と比較すると3倍以上に増えている状況です.
新生涯学習プログラムへ移行すると認定理学療法士資格取得におけるハードルがかなり高くなりますので,早めに取得したいといった異理学療法士が非常に多いことがわかります.
ここからは領域別に推移を見ていきたいと思います.
ひとを対象とした基礎領域
絶対数はまだまだ少ないですが,昨年度は通常の倍の合格者が出ておりますね.
動物・培養細胞 を対象とした基 礎領域
領域が領域だけあってあまり増えてませんね.
おそらくこの領域の理学療法士は論文もたくさん書いてますし,研究者が多いことを考えると認定理学療法士を飛び越えて専門理学療法士を取得する方が多いのでしょうね.
脳卒中
さすがの数ですが,5年前と比較して3倍近くの合格者数になっているのが分かります.
神経筋障害
まだまだニッチな領域の1つですが,この領域も合格者数が少しずつ増えているのが分かります.
脊髄障害
まだまだ数が少なく,かけこみ受験の影響も大きくは受けていない印象です.
発達障害
数も順調に増えてますね.
合格者数も5年前に比較すると3倍以上になっております.
運動器
2018年度の認定理学療法士合格者数が最も多い運動器ですが,2019年度は1000名を超えるのではないかといったうわさもあります.
切断
少なすぎです.
5年前と比較しても増えておりませんし,切断自体が減少しており理学療法士が関わる機会が少なくなっていることも1つの原因でしょうね.
スポーツ理学療法
伸び率すごいです.
若い理学療法士に人気な分野だけあって今後もますます増えそうですね.
5年前に比較すると4倍近いです.
徒手理学療法
この分野も若手理学療法士人気の領域ですが,5年前に比較すると2倍近くになっております.
循環
順調に数を伸ばしてきてますね.
5年前に比較しても2倍以上の推移です.
呼吸
呼吸も循環器と並んで増えてますね.
代謝
代謝も5年前に比較して3倍近くになってますね.
地域理学療法
在宅分野でも認定理学療法士を取得する理学療法士が増えているのが分かりますね.
健康増進・参加
数自体はまだ多くはありませんが,5年前に比較すると増えてきてますね.
介護予防
5年前に比較すると3倍になってますね.
分科学会への登録者数も増えておりますし,今後もますます数が増えそうですね.
補装具
脳卒中片麻痺例に対する装具療法の有効性が見直された影響が大きいと思いますが,少ないながらも数が増えてきておりますね.
物理療法
歴史はあるのになかなか数が増えませんね.
褥瘡・創傷ケア
ここも数が増えませんね.
これだけ少ないと既に認定理学療法士の領域として残しておくべきかといった議論も進みそうです.
褥瘡ケアに関わるのって理学療法士としては重要ですけどね.
疼痛管理
ここもほとんど伸びてませんね.
臨床教育
5年前と比較すると4倍以上ですから,教育に関心を持つ理学療法士が増えているのが分かります.
管理・運営
5年間で最も増加率が著しいのがこの管理・運営領域です.
管理者の理学療法士が後輩にかっこうがつかないからこの領域で認定理学療法士の取得をといったケースが多いのではないでしょうか.
学校教育
この領域は養成校の教員理学療法士が受験する枠ですが,少ないながら少しずつ増えてはおりますね.
今回は2018年度までのデータをもとに認定理学療法士数の推移について分野ごとにご紹介させていただきました.
来年度が最後のチャンスです.
まだまだニッチな領域も多いので,そういった領域を攻めてみるのも1つでしょうね.
ニッチな領域だからこそ講演や執筆のチャンスが生まれやすいといったところもありますので…
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