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横浜市でリハビリで院内感染が疑われる新型コロナウイルスクラスター感染発生
恐れていた事態が起こりました.
横浜市の医療機関でリハビリテーション部門を介したクラスター感染が起こったようです.
今回はこの横浜市の医療機関におけるリハビリテーション部門を介したクラスター感染について考えてみたいと思います.
横浜市の発表(抜粋)
12日,10歳代から90歳代の男女18人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した.
このうち,同市内の医療機関でリハビリをしていた60歳代から70歳代の男女3人の感染が確認された.
3人は既に感染が判明している医療機関の職員の支援を受けていたという.
同市は「院内感染の恐れがある」として,他に濃厚接触者がいないか調査を進めている.
感染が判明している医療機関の職員の支援が理学療法士や作業療法士でないことを祈りたいですが…
広島県三次市の通所リハビリ施設といい,いずれにしてもリハビリテーション部門はクラスター感染を生みやすいことが改めてわかる結果だと思います.
リハビリテーション部門は三密のオンパレード
理学療法士・作業療法士の働き方の特徴①
考えてみるとわれわれ理学療法士・作業療法士のクライアントへの関わり方って濃厚接触のオンパレードなんですよね.
かなり密着しますし,身体の様々な部分に接触します.
距離感も非常に近いですし,医師・看護師なんかと比較してもかなり濃厚に接触する職種であることは間違いありません.
考えてみると全ての職種の中で最も濃厚接触するのが理学療法士・作業療法士だったりします.
感染者が報告された病院では数週間の間に接触したクライアントを全て調査しているようですが,外来も含めるとかなり多くのクライアントに接触している可能性が高いと思います.
特にリハビリ室なんていうのは今話題になっている3つの密(密閉空間・密集場所・密接場面)がすべてそろってしまう空間なんですよね…
理学療法士・作業療法士の働き方の特徴②
また理学療法士・作業療法士の働き方の特徴として病棟をまたいで仕事をすることが多いと思います.
看護師であればおおよそ1つの病棟で仕事をしていることが多いと思います.
医師にしても外来と診療科のベッドのある病棟で仕事をするということが多いと思います.
理学療法士・作業療法士に関しても最近は各病棟に配置されて分かれて仕事をされている方も多いかもしれませんが,昔ながらの仕事の仕方だと病棟をまたいで仕事をされていることも多いと思います.
ベッドサイドでリハビリということもあるでしょうし,リハビリ室でということもあるでしょうし,病棟の廊下を使ってリハビリということもあるでしょう.
そうなるとあらゆる病棟へウイルスをまき散らしてしまうというのがわれわれ理学療法士・作業療法士の危険なところです.
理学療法士・作業療法士の働き方の特徴③
また理学療法士・作業療法士の働き方の特徴として,クライアントへの接触時間が長いといった点が挙げられます.
3単位だと1時間もクライアントに接触するわけです.
医師や看護師がクライアントに連続してこれだけ長時間接触することって,手術なんかを除けばあんまりありませんよね.
3つの密(密閉空間・密集場所・密接場面)には時間に関する要素が含まれておりませんが,長時間にわたって3つの密が続けば感染が拡散しやすいのは明らかです.
今回は横浜市の医療機関におけるリハビリテーション部門を介したクラスター感染について考えてみました.
改めてリハビリテーション部門は感染拡大予防に向けた対策を講じるべきですね.
既にリハビリテーション室を閉鎖しているところもできておりますが,この件を機にリハビリテーション室を閉鎖して,入院患者は理学療法士・作業療法士が病棟で対応するといった対応を取るところが増えそうですね.
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