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理学療法士に多い軽くなったでしょといった誘導が痛い
理学療法士が介入前後にクライアントに対して自覚的な歩行のしやすさや立ち上がりのしやすさを確認することって多いと思います.
場合によっては,客観的な情報よりもクライアントの主観的な感覚が一番重要なんだから,そこが変わらないと結果が出たなんて思っちゃだめよなんて言ってる理学療法士もいます.
そもそも「結果」って何だよと思ったりもしますが…
今回は理学療法士に多い「軽くなったでしょ?」,「歩きやすくなってるはずです」といった誘導が痛すぎる件について考えてみたいと思います.
理学療法士が介入前後にクライアントに対して
膝関節の安定性が増したはずなのである気が軽くなったはずなんですがどうですか?
…はい,何か軽くなった気がします…
これって宗教ですよね.
誘導でしかありません.
確かにクライアントの主観的な感覚というのは重要ですが,誘導はいただけませんね.
本当にクライアントの主観的な感覚を聴取したいのであれば,変なバイアスをかけてはいけませんね.
介入前後にただただ歩いてもらって,「リハビリ前と比較してどこがどのように変わりましたか?」なんて聞き方が良いと思います.
そもそも軽くなったでしょなんて聞き方は抽象的すぎますし,クライアントもそんな風に誘導されれば,否定できませんよね.
日本人は特にそうです.
ここで重要なのは主観的な感覚と合わせて,客観的な情報を得ることです.
ここでもクライアントの主観的な感覚に加えて,歩行速度や関節の運動範囲などできるだけ客観的な情報を統合することが重要です.
理学療法士が臨床実習生に対して
今の変化わかった?
ほら,距骨下の回内が減ったでしょ?
…はい,言われたらそんな気がします.
まだまだだね,この動きの変化がわからないと理学療法士になれないよ!
こういったやり取りも非常に多いですよね.
本当に変化なのかわからないような小さな変化を押し付けられても,臨床実習生も困りますよね
正直,実習生がわからないような変化というのはクライアントにもわかりづらい変化だと思いますので,既に変化だとは言えない気がします.
医師に同じ歩行の変化をみて同じ説明ができますか?
きっとできない理学療法士が多いですよね…
ただこういった独りよがりの理学療法士って多いんですよね…
講習会で怪しい講師が参加者に対して
ほら変わったでしょ?
この変化がわからない理学療法士は理学療法士じゃないですね
この小さな変化をみれるようにならないと,結果は出せませんよ.
これって既に宗教ですよね.
参加者もまた講師や周囲の理学療法士に動作分析ができていない理学療法士だなんて思われたくないものですから,「確かに変化しましたね」なんて回答する場合がほとんどだと思いますし,お偉い講師の前で講師の言うことを否定なんてできませんよね.
今回は理学療法士に多い「軽くなったでしょ?」,「歩きやすくなってるはずです」といった誘導が痛すぎる件について考えてみました.
誘導自体が問題ですし,変化を捉える際には最小可検変化量のような臨床的に意味のある変化かどうかを考える必要がありますね.
また変化を数値化するほか,第3者に客観的に変化を伝える方法はありませんね.
理学療法士は臨床家等と称されることが多いですが,これはで臨床家ではなく宗教家ですね…
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