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第55回理学療法士国家試験の不適切問題はどのように決められるのか?
昨日終わった第55回理学療法士国家試験ですが,大手から出された解答速報を見ても数社で解答速報の結果が割れております.
私が知る限りでも,午前中の試験問題で100問中23問が,午後の試験問題で100問中10問の解答が割れている状況です.
こうなると気になるのが不適切問題がけっこうな数あったのではないかといった点です.
特に合格ラインぎりぎりの受験者にとってはこの不適切問題の扱いは非常に重要です.
今回は第55回理学療法士国家試験の不適切問題はどのように決められるのかについて考えてみたいと思います.
理学療法士国家試験における不適切問題とは?
不適切問題というのは解答を1つ答えるように指示されているにもかかわらず,問題の解釈によっては解答が2つ以上に及ぶ場合や,解答を2つ求められているにもかかわらず,解答が1つしかない,または3つ以上存在する可能性がある場合に,そもそも国家試験の問題が不適切であるといったケースを言います.
また,問題として成立はしてもその内容が難しすぎる場合,「問題として適切であるが,必修問題として妥当でない」として,正解した受験生については採点対象に含め,不正解の受験生についてのみ採点対象から除外されるなど,様々な対応がなされます.
こうした問題は例年数問ほど生じますが,もちろん試験本番中に受験生が知ることはありません.
過去の理学療法士国家試験においても5問前後が不適切問題として扱われている状況です.
不適切問題の恩恵は?
不適切問題の中でも本来1つのはずの解答が複数考えられる場合には,結果的に合格者は増えるはずです.
例えば出題者は「1」を選んだものを正解とするとしていたとします.
しかし実際には「2」も「3」も正解と判断できるので,1・2・3のいずれかを選んだ人をすべて正解としましょうとなります.
こういった問題が増えれば,解答速報で点数の届かなかった方の点数が積み増しされる可能性が出てきて,結果的に合格に達することになる場合があります.
一方で除外問題が増える場合には,非常に困ったことが起こります.
除外問題の対象となるのは解答を抽出できないような問題です.
このような問題はなかったものとして扱われますので,理学療法士・作業療法士国家試験の合計点の母数が減らされるわけです.
例えば280点満点が279点満点になるということになります.
仮に除外問題に指定された問題を解答者が出題者の用意した答えを選んでなかった場合,間違いが取り消されることになります.
しかし同時に母数も減ってしまいますので恩恵は小さいと言えます.
除外問題が厄介な点は,解答者が出題者の用意した答えを選んでいた場合です.
合計点の母数が減る代わりに正解も取り消しになってしまいます.
不適切問題はどのようにして決められるのか?
例年,理学療法士養成校から不適切問題と思われる設問を集約したものを日本理学療法士協会が厚生労働省に提出するといった流れとなります.
おおまかにはこんな流れですね.
今回は第55回理学療法士国家試験の不適切問題はどのように決められるのかについて考えてみました.
合格ラインぎりぎりの受験者の方はこの不適切問題がどう扱われるかを見守っておく必要がありますね.
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