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やっぱり認定理学療法士・専門理学療法士資格は維持される
先日,日本理学療法士協会が発表した新生涯学習制度はSNS等で波紋を広げました.
もしかして過去に取得した認定・専門理学療法士がリセットされてしまうのではないかとも読み取れる内容であったからです.
この件に関しては11月2日までに日本理学療法士協会に抗議の電話が殺到し,日本理学療法士協会も早々にコメントを掲載いたしました.
11月27日に改めて日本理学療法士協会から今後の新生涯学習制度に関して認定・専門理学療法士資格がどうなるのかも含めて情報が開示されておりますので,ここでご紹介させていただきます.
日本理学療法士協会からの発表(以下,抜粋)
本会の生涯学習制度をリニューアルいたします.
新生涯学習制度(以下「新制度」)は,2021年4月より開始します.
■なぜ新生涯学習制度が必要なのか?
「理学療法士」という資格が生まれてから50年以上が経過し,その間に人々の生活や社会環境は大きく変化しました.
理学療法士として多様化するニーズに応えるため,生涯学習制度をリニューアルします.
理学療法士としての質を担保し続けるため「5年ごとの更新制」を取り入れ,生涯を通して知識・技術の維持・向上を怠らず、社会に対して理学療法士の質を保証します.
ここでは新生涯学習制度のスタートが2021年4月より開始され,5年ごとの更新制になることが明示されております.
この点に関してはこれまで通りです.
さらに今回は新制度において自身の入会年度や新人教育プログラム,認定・専門理学療法士資格の有無を入力すれば,新制度で自身が登録理学療法士になれるのか,前期・後期研修を取得する必要があるのかといった点が具体的に提示される診断プログラムも提示されております.
SNSで報じられている範囲では日本理学療法士協会にクレーム・恫喝の電話やメールが殺到したことが日本理学療法士協会のおしりに火をつけたのだと思いますが,今回の日本理学療法士協会の診断プログラムは非常にわかりやすく,素晴らしい対応だと思います.
ぜひともマイページの会員専用コンテンツから診断プログラムをご確認ください.
批判も多い日本理学療法士協会ですが,こういった会員のことを考慮した対応をしてくださると非常に助かりますね.
気になるのは専門・認定理学療法士が今後どうなるのかといった点
SNSでも波紋を広げたのは現在取得している専門・認定理学療法士資格が今後どうなるのかといった点です.
この点に関してもきちんと明示されております.
以下抜粋です.
現制度中に取得された認定理学療法士・専門理学療法士は新制度以降も維持されます.
ただし,今後の検討内容によっては,カリキュラムや専門領域の変化に伴い,一部名称の変更などがあり得ます.
その詳細につきましては,現在検討中です.
なお,新制度では,認定理学療法士・専門理学療法士は登録理学療法士であることが前提のため,経験年数や履修状況が登録理学療法士の規定に満たない方については,登録理学療法士に関する研修の不足(未履修)分を別途履修する必要があります.
とりあえずは現行の認定理学療法士・専門理学療法士資格は維持されるということですのでこれで一安心ですね.
先日の教育・管理学会の中では認定理学療法士の領域がさらに細分化されることや,専門理学療法士の名称が変わる(分科学会に準じたものとなる)などといった話題も挙がっております.
また認定理学療法士・専門理学療法士資格の更新に関しても今後変更となる可能性が高いようです.
専門理学療法士に関しては5年に1本は査読付きの論文が課されるといった案も提示されており,今後の動向から目が離せないところです.
パブリックコメントについて
日本理学療法士協会は新生涯学習制度に関してパブリックコメントを募集予定です..
受付期間は2019年12月4日(水)正午~12月13日(金)正午までとなっておりますので,皆様も新生涯学習制度に関して建設的なもしくは批判的な意見があれば,このパブリックコメントの中できちんと発言することが重要です.
今回は日本理学療法士協会から開示された,今後の新生涯学習制度に関してご紹介させていただきました.
認定・専門理学療法士資格なんて要らないといった理学療法士も少なくない一方で,先日の新生涯学習制度の改定に関しては多くの理学療法士がSNS上でさまざまなコメントをしており,生涯学習制度に興味のある理学療法士が多いのも実際だと思います.
今後も継続的に情報収集をしないといけませんね.
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