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よく考えたら理学療法士・作業療法士の臨床実習期間中に
バイトできないっておかしくない?
今年度より各都道府県で指定規則の改定に則り臨床実習指導者講習会が開催されておりますが,現在,理学療法士・作業療法士の臨床実習は過渡期にあります.
基本的には時間内実習時間が40時間,時間外学修時間が5時間といった週45時間の枠組みの中で実習を行う必要があります.
そうなると土日の休日には自己学習を除いて課題を課すことはタブーとなります.
そうなると土日であればアルバイトができるのではなんて考えも出てきます.
今回はよく考えたら理学療法士・作業療法士の臨床実習期間中にバイトできないっておかしくないかといって点について考えてみたいと思います.
過去の理学療法士・作業療法士における休日の過ごし方
過去の理学療法士・作業療法士における休日の過ごし方を考えてみると,レポートをはじめとする課題に追われる状況で,とても土日にゆっくりと休暇を過ごすなんてことは難しい状況でした.
私自身はそんなことはありませんが,とても人間らしい生活ができなかったという経験をお持ちの理学療法士・作業療法士の方も多いのではないでしょうか?
しかしながら理学療法士・作業療法士を目標とする学生だって人間です.
若くても休暇が必要であることは間違いありません.
そもそも資格取得者である理学療法士・作業療法士が全ての休暇を自己研鑽に費やしているわけではありませんし(極わずかではありますが実際には休日のほぼすべてを費やしておられる方もいらっしゃいます),休みは休みで遊び呆けている理学療法士・作業療法士も多いのが実際です.
昔よくあった光景
過去にこんな話を聞いたことがあります.
A君が実習中に近隣で実習を送るB君とファミリーレストランで食事をとっていたようです.
運悪くA君は実習先の理学療法士と出くわします.
ファミリーレストランで出くわした理学療法士は翌日すぐに実習指導者へ「昨日A君がファミリーレストランで食事をとっていた」なんて告げ口をします.
そうすると実習指導者がレポート課題も十分にできていないのに,ファミリーレストランで友人と何を遊んでいたんだなんて怒られたりするわけです.
よくよく考えれば非常にナンセンスな話です.
実習時間外に実習生が何をしようと自由なはずですが,これまでの理学療法士・作業療法士の実習では,休日でさえも実習生というのは自由が全くない状態だったわけです.
そういった学生に対して厳しい理学療法士・作業療法士に限って自分は休日に自己研鑽に励むこともなく遊び呆けているのが現実です.
理学療法士・作業療法士の学生とアルバイト
理学療法士・作業療法士の学生の中には両親からの支援が受けられず,アルバイトで生計を立てている学生も少なくありません.
また理学療法士・作業療法士の学生の中には社会人を経験している者も多く,社会人時代の貯えを使いながら,アルバイトで何とか学費を支払っている学生も多いわけです.
理学療法士・作業療法士の実習というのは短期・長期も合わせるとおおよそ5ヶ月間にも及びます.
この5ヶ月間もの間,アルバイトができないと経済的にはかなり苦しい状況になってしまいます.
経済的に苦しい状況で,生活がままならない状況になると,食生活も乱れますし臨床実習がまともに送れるわけもありません.
今後の臨床実習では休日のアルバイトも可能?
指定規則の改定によって,時間内実習時間が40時間,時間外学修時間が5時間といった週45時間の枠組みの中で実習を行う必要があります.
したがって土日の休日には自己学習を除いて課題を課すことはタブーとなります.
そうなる土日であれば,アルバイトによる疲労等で実習に影響が出ない範囲であれば,土日にアルバイトをするというのも可能になりそうです.
こういった話をすると,アルバイトする暇があれば勉強しろといったような反対意見も多く出てきそうですが,勉強は45時間以内で効率的に行う必要があります.
土日まで学習を強制するのは,今後はNGですので,学生が実習に影響の出ない範囲内で休日にアルバイトをするのはOKということになります.
私自身はこのあたりが今後解消されて,臨床実習生の自由がもっともっと増えて,人間らしい生活ができることを望みます.
われわれのこれまでやってきた理学療法士・作業療法士の臨床実習ってやっぱり客観的にみると変でしかありません.
質が担保できないとかいろいろあるかもしれませんが,時代に合ってないと思います.
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