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SNSで話題の「ここが変だよ認定理学療法士制度」
某有名リハビリ関連サイトの掲示板に書き込まれた記事がSNSで話題になっております.
この記事によると2年間にわたって認定理学療法士を受験したものの,「ポイント申請の不備」で不合格となり,認定理学療法士資格取得までの流れが問題ではないかといった声が挙がっております.
今回はSNSを騒がせている認定理学療法士制度の不思議について考えてみたいと思います.
認定理学療法士取得までの流れ
認定理学療法士を取得するには・・・
- 新人プログラム終了
- 専門分野登録
- 協会指定研修
- 認定必須研修
- 領域ごとに定められたポイント収集
- 10例の症例レポート作成
- 認定試験受験
といった流れを踏む必要があります.
認定理学療法士制度の不思議
ここで問題なのは,必要書類や症例レポートに関して採否の決定が行われることなく,認定試験を受験するといった流れです.
認定試験を受けるためには,事前に①必要なポイントを記載した用紙と,②10例の症例レポートを提出する必要があります.
これらの書類を提出に不備があれば,認定試験で合格点をとっても認定理学療法士資格が取得できません.
認定試験は無料ではありませんし,交通費や旅費も馬鹿にはなりません.
今回の例では2年間にわたって認定理学療法士を受験したものの,「ポイント申請の不備」で不合格となり,認定理学療法士試験受験に必要となる受験料や大都市の試験会場に出向くための交通費等の旅費が無駄になったわけです.
不備があるのがそもそも問題
認定理学療法士の要項を見てみると,以下のように記述されております.
- ポイント申請書類に不備があった場合には「不合格」となります.
- 申請書類(ポイントや症例報告 10 例)の提出後は,申請内容の修正は認められません.
- また総合判定の結果通知後も,申請内容の修正は認められませんので,必ず申請前に再度ご自身でポイントの申請内容をよくご確認の上,お手続きください.
こう書かれている以上,きちんと確認しないことが問題ではないでしょうか?
こういった申請のための手続きをミスなく行うといった社会人としてのスキルも含めて認定理学療法士ではないでしょうか?
認定理学療法士制度も問題
私自身はそもそも不備があることが問題だと思いますが,現行の制度は,日本理学療法士協会員に対して優しくない制度であるとも思います.
交通費等の旅費ももちろんですが,休暇を取得するために職場での勤務調整を行ったりといったことを考えると,もう少し制度自体がどうにかならないものかと思ってしまいます.
書類提出期間をもう少し早めにして内容のチェックの期間を多く設ければ,このような受験料や旅費を無駄にするといった受験者も少なくなるでしょう.
今回はSNSを騒がせている認定理学療法士制度の不思議について考えてみました.
今の認定・専門理学療法士制度のインセンティブの無さから考えると,こういったことがきっかけで認定理学療法士の取得をやめようと考える理学療法士も出てくるのではないかと思います…
皆様も認定理学療法士取得に向けて書類を提出される際には,必ず要項を印刷して打ち出して熟読して(ここが重要です.PC上やスマホで確認する方法は勧められません),間違いのないように申請をしてください.
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