以前から理学療法士・作業療法士の臨床実習に関してはここでもいろいろな視点で記事を紹介させていただきました.
理学療法士・・作業療法士の臨床実習は大きな転換期を迎えており,指導者講習会をはじめ今後も大きな動きがあることが予測されます.
実習指導の方法に関しても診療参加型実習(クリニカルクラークシップ)の導入など,実習も大きく変わろうとしております.
今回は「こんなふうになりたい,そんな理学療法士・作業療法士に出会えれば実習は必ず成功する」といった異なる視点で臨床実習について考えてみたいと思います.
目次
学習に結びつく動機が大切
実習指導において最も重要なのは,臨床実習生がこんな理学療法士・作業療法士になりたいと思えるように指導者である理学療法士・作業療法士が鏡になるということだと思います.
野球少年はなぜ苦しい素振りを繰り返し行えるのでしょうか?
監督に強制されるからでしょうか?
おそらくプロ野球選手になりたいとか,甲子園に出たいとか,そこにはかなり強い動機があるわけです.
養成校では勉強をしなさいといっても勉強しなかった学生が,実習に出てあんな理学療法士・作業療法士になりたいといった思いをきっかけに勉強に励むようになったといったような話は,養成校の先生からよく聞く話です.
実習を通じて学習する最高の動機付けを得られるかどうかが重要だと思います.
指導者は学生の鏡である
養成校の先生が言うには臨床実習で指導者となった理学療法士・作業療法士に「憧れ」や「かっこいい」という感情を抱いていた理学療法士・作業療法士の学生は放っておいても伸びるといいます.
「かっこいい」とか「憧れる」といった感情は最高の学習の動機付けになります.
これは仕事に限ったことではないと思います.
同じ素振りをするのでも監督に言われてやらされて素振りをしているのと,甲子園に出たいといった思いをもって素振りをしているのでは,素振りで得られるものもまったく異なるものとなるでしょう.
何事もそうですが,やらされて学習したことってあまり定着しないわけです.
私自身の経験を踏まえても,ある実習で今でも私が目標とする理学療法士に出会ってから,私の学習する姿勢というのは大きく変りました.
あんなふうになりたいから勉強しようといった学習意欲が高まったのは今でも強く記憶しております.
しかしながら逆に実習先の指導者がやる気もなく,テキトーに仕事していたらどうでしょうか?
理学療法士・作業療法士って面白くない仕事なんだな,なるのをやめようかなと思ってしまうと思います.
実習へ出る理学療法士・作業療法士は不安をいだいているとともに,理学療法士や作業療法士がどんな仕事をしているのだろうかといった期待や理想を抱いてくるはずです.
この期待や理想が良くも悪くも崩れるのが実習です.
指導者は学生の鏡になっていることを十分に認識した上で,指導に当たる必要があるでしょうね.
今回は「こんなふうになりたい,そんな理学療法士・作業療法士に出会えれば実習は必ず成功する」といった異なる視点で臨床実習について考えてみました.
理学療法士・作業療法士の仕事というのは楽しい事ばかりではありません.
そんな中で仕事のやりがいを伝えるのは大変かもしれませんが,指導者が輝きを持っていることが大切です.
「大変な仕事だけど,この仕事って素晴らしいし,かっこいいし,楽しいよ!」
こんな風に学生に誇れる仕事をしたいものです.
そのためには学生はもちろんですが有資格者であるわれわれ理学療法士・作業療法士も日々独力しないといけませんね.
自戒を込めて…
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