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理学療法士はセミナー講師でどれくらいもらえるの?
副業時代に突入した理学療法士の業界においてもセミナー講師でお金を稼ぐ理学療法士も増えてきております.
セミナーを開催するとどのくらいもらえるのかと気になるところですが,当然ながらセミナー団体によっても謝金の規程は様々です.
私的なセミナーや講習会の謝金はピンキリですので,今回は日本理学療法士協会における諸謝金の規程についてご紹介したいと思います.
最近は都道府県士会でもこの日本理学療法士協会の諸謝金の規程を参考に,諸謝金の規程を作成している都道府県が増えてきております.
講師謝金の規程
報酬 | 教授クラス | 准教・講師クラス | 助教クラス |
(課長職以上) | (主任・係長など) | (役職なし) | |
会員外講師(90分) | 100,000円 | 50,000円 | 30,000円 |
会員講師(90分) | 30,000円 | 20,000円 | 10,000円 |
※2コマ以上の場合は,2コマ以上を50%とする | |||
※実技講習会やシンポジウム等の複数名の講師による場合,コマ数の報酬を分配する |
基本的な講師謝金はこんな感じです.
時給換算すると教授クラスで時給20,000円,准教授・講師クラスで13,333円,助教クラスで6,666円というということになります.
1時間に20,000円と考えると悪くないと思われるかもしれませんが,2コマ目以降は50%に減額されるという規定があります.
したがって教授クラスでは1コマ30,000円,2コマ45,000円,3コマ60,000円,4コマ75,000円ということになります.
教授と課長職が同等であったり,准教授・講師と主任や係長が同等であったりと,つっこみどころ満載の規程なわけですが,専門理学療法士を持っていれば教授クラスと同等の謝金を得られる,認定理学療法士を持っていれば準教授クラスと同等の謝金を得られるといった点も協会の規程ならではの規程だと思います.
これを高いと思うか安いと思うかは様々だと思いますが,officialな研修会としては妥当ではないかと考えます.
私的なセミナーでは1日もので十数万円の講師料が発生する研修会もあるようです(笑)
最近では一部の私立大学の教授なんかは謝金が安すぎるので依頼を受けないといった教授もおられるようです.
ただ大学教員というのはOfficialな研修会講師というのは社会活動として大学側にも評価してもらえるようですので,謝金以外の部分でもうまみはあるようです.
査読に関する謝金
給与 | 使用フォーマット | ||
学術誌査読謝金 | 2,000円/編 | 謝金支払票(査読等・委員用) | |
給与 | |||
学術誌論文等査読審査 | 900円/編 | ||
学術誌論文等査読審査:編集委員長と編集委員による審査となった投稿論文のみを対象とする。 | |||
校閲作業を行った依頼原稿を対象とする。 | |||
編集委員長による投稿論文の査読者選定、論文の審査結果の確認を対象とする。 |
協会が発行している学術誌「理学療法学」の査読に関しても規定が設けられております.
これは安いなと思う一方で,国際誌のレフリーなんかも査読委員というのは名誉職でありながら,ボランティアのことが多いので,謝金が発生するだけでも良いのでしょうか.
執筆に関する謝金
協会が発行している学術誌「理学療法学」は原著論文が主体ですが,依頼原稿や企画記事も謝金が定められております.
これも民間の書籍や雑誌の執筆料に比較すると安い感は否めませんが,こういった執筆を通じて新たな仕事依頼があることを考えれば,多くの理学療法士の目に触れる雑誌に掲載され,かつ謝金が得られるという風に考えればこんなもんでしょうか.
EBPTチュートリアルや解説付き英語論文についても謝金の規程がありますが,雀の涙ですね.
今回は日本理学療法士協会における諸謝金の規程についてご紹介いたしました.
セミナーというのは拘束時間はもちろんですが,準備にかなりの時間を要していることを考えると,協会の時給は安いという風にも考えられますが,一方でセミナー依頼が増えれば,同一のスライドを使いまわせたりしますので,そういった場合には準備時間も短くて済みます.
小さなセミナーを大切にしていれば,そこから大きな講習会の依頼が来ることもあります.
小さなことからコツコツと積み重ねることが大切でしょうね.
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