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語彙力 理学療法士・作業療法士 気持ちを伝える
今回も前回に続いて日常会話で使用することの多い語彙力に関して考えてみたいと思います.
理学療法士・作業療法士に限ったことではありませんが,仕事の中で上司・同僚やクライアントに自分の気持ちを伝えなければならないことって少なくありません.
同じ内容を伝える場合であっても,表現によって相手の受ける印象もまったく異なるわけです.
敬語を使用するのは当然ですが,合わせて適切な表現を選択することが重要となります.
そこで今回は自分の気持ちを伝える際に使える表現に関して,いくつかこう修正すると社会人らしくなりますよといったものをご紹介したいと思います.
ありがたい言葉に感謝します⇒もったいないお言葉でございます
上司や先輩から褒められたり,感謝されたりしたときに使える表現です.
感謝の気持ちを伝える表現に「もったいないお言葉でございます」「もったいないお言葉ですが励みになります」などがあります.
その他にも「過分なお言葉でございます」といった表現もあります.
「過分」の「分」は「分相応」という言葉もありますが,身に余ってありがたいことを示す言葉です.
「身に余るお言葉です」という表現もよく用いられます.
助けていただき⇒ひとかたならぬご尽力をいただき
先輩や上司に手助けしてもらった際に感謝を述べる場合に使います.
助けていただいたことへの御礼の気持ちを伝えるとき「ひとかたならぬご尽力をいただき感謝申し上げます」という表現を使うことがあります.
「尽力」は文字通り力を尽くすこと骨を折ることを意味します.
ちなみに「ひとかたならぬ」は,並々ならず,非常なという意味の言葉です.
「尽力」で相手の並々ならぬ尽力に触れ感謝の気持ちを伝えるフレーズです.
来てくれてありがとうございます⇒ご足労おかけいたします
例えば理学療法士・作業療法士が研修会を開催して,講師の先生にお越しいただいたことに感謝を述べたいときに使える表現です.
相手に来てもらったことに感謝する場合に使います.
「足労」は足を疲れさせること,くたびれることの意味であり,本来なら自分から出向くべきところを,来てもらったり,行ってもらったりすることへの感謝を示す言葉です.
雨の日であれば「お足元の悪い中,ご足労おかけいたしますが」,寒い日なら「お寒い中」,遠い場所なら「遠方から」,相手が忙しければ「お忙しいところ」などと,相手を気遣う言葉を添えると,より感謝の気持ちが伝わります.
大変(つらい)ですね⇒ご心痛のほどお察しいたします
不幸事があった際や上司・先輩が病で入院された場合には,「大変ですね」という言葉も使いがちですが,それだけではありきたりで,どこかそっけない気もします.
大変な状況の相手をいたわりたいなら,「心痛」という言葉があります.
「心痛」は心を痛めること,ひどく心配すること,心が痛くるほどの強い思いを指します.
手紙などの書き言葉で「ご心痛のほどお察しいたします」とすると,つらい状態にある相手をいたわる言葉となります.
「心痛」と似た言菜に「心労」もあります.
こちらは困難な問題に長くかかわっているときに使われます.
直接お会いして御礼申し上げるところ⇒拝眉の上御礼申し上げるところ
謝罪をする場合や依頼をする場合には,社会人の礼儀としては直接会って謝罪や依頼をすべきです.
しかしながらそうもいかない場合もあると思います.
そんな場合には,「拝眉の上御礼申し上げるところ…」などと伝えます.
直接会って御礼したいけれど,それがままならず,メールや手紙で感謝の気持ちを伝えることになった場合には有用です.
その他にも,「略儀ながら」といった表現も使えます.
こちらも手紙などでよく見る表現ですが,正式の手続きを省いて簡略にした形式を表します.
手紙では「略儀ながら~」というフレーズでよく使います.
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