臨床実習で学生が担当することが多い症例の傾向

臨床実習・国家試験
スポンサーリンク
スポンサーリンク

目次

 臨床実習で学生が担当することが多いクライアントの傾向 

年明けから臨床実習が始まるといった理学療法士・作業療法士の学生も少なくないと思います.

ここ最近の臨床実習の流れとしては従来からの患者担当型ではなく,診療参加型(クリニカルクラークシップ形式)の実習が増えておりますが,実習を指導する立場としては,学生に評価・治療を経験してもらいやすいクライアントとそうでないクライアントがいるのも事実です.

今回は完全な私見になりますが,臨床実習で学生が担当することが多いクライアントの傾向について考えてみたいと思います.

 

 

 

 高齢である 

若い方というのは権利意識が高い方が多いので,実習生を嫌がる方が少なくありません.

自分がサービスを受ける立場で考えてみても,美容院に行って新人に髪を切られるよりは,慣れた美容師さんに切ってもらいたいなと誰もが思うでしょう.

一方で高齢者というのはこういった意識が薄れてきている方が多いのも事実です.

ゆっくりと話を聞いてくれる学生さんの方が忙しくてバタバタしている有資格者よりも良いという方さえいらっしゃいます.

 

また専門的な視点で考えても,高齢者というのは原疾患以外にもさまざまな合併症を抱えておられる方が多いので,実習生に担当してもらうと,いろんな視点から勉強をしてもらえるといった面があります.

ですので担当する症例というのは高齢な方にお願いすることが多いです.

もちろんクライアントの方に説明をして許可を得てということにはなりますが…

 

 

 

 軽度の認知機能低下がある 

認知症を合併しているクライアントの割合は急激に増えているわけですが,私が実習生に担当してもらうクライアントを選ぶときには,軽度の認知症を合併している方にお願いすることが多いです.

理学療法・作業療法評価を行うにしても治療を行うにしても,声掛けの仕方を工夫する必要がありますので,そういった意味ではかなり良い経験になります.

学生同士で検査・測定の練習を行っていると,お互いが検査・測定の方法をわかっているので,無意識に協力してしまったりするわけですが,認知機能が低下したクライアントに検査・測定を行ってもらうと,方法を伝えることの難しさを実感してもらえることが多いです.

一方で高度の認知機能低下を有する症例や意識障害を有するような症例に関しては,MMTのようなクライアントの協力によって成り立つような検査・測定が行えませんし,治療自体も困難を極めますので,こういった方を担当してもらうことは少なかったりします.

 

 

 日常生活動作が制限されている 

私が実習生に担当してもらうクライアントを決定するときには,なるべくセルフケアも含めた日常生活動作能力が低下している方を担当してもらいます.

実習生にはなるべく日常生活動作能力評価の1つであるFIM(Functional Independence Measure)を用いて,日常生活動作能力を評価する経験をしてもらいたいと思っているわけです.

病棟や自宅での生活を考えた上で,治療を考えてもらいたいといった思いがありますので,既にセルフケアが全て自立しているようなクライアントを担当してもらうことは少ないです.

 

 

 

 疾病による障害が標準的である 

有資格者自体が年に数回しか見ないような稀少な症例を実習生に担当してもらうことは少ないです.

施設によってはこういった症例を学生に任せるようなところもあるようですが,うーん…

日常臨床で遭遇することが多い標準的な経過をたどるであろう症例を担当してもらいます.

こういった標準的な経過をたどることが予測される症例というのは,書籍や文献を使って学習もしやすいですし,まずは標準がどいうったものかを知ってほしいという思いがありますので,いわゆるスタンダードな症例を担当してもらうことが多いですね.

 

 

 

 

今回は完全な私見になりましたが,臨床実習で学生が担当することが多いクライアントの傾向について考えてみました.

このあたりは指導者によっても考え方は異なるかもしれませんが,一般的には高齢で,軽度の認知機能低下があって,日常生活動作が制限されていて,疾病による障害が標準的な症例を担当する機会が多いという風に考えてよいと思います.

寒くなってきましたので年明けに実習をむかえる学生さんは体調管理に気を付けて万全の状態で実習に臨めるように準備してくださいね.

コメント

タイトルとURLをコピーしました