私も士会活動・協会活動に関わるようになって10年以上が経過しますが,本当に会議は多いですし,煩雑な作業も多くやめたいなと思うこともしばしばですが,一度首を突っ込んでしまうとなかなかやめられない状況もあります.
今回はわれわれ理学療法士が士会活動・協会活動に協力する意義について考えてみたいと思います.
目次
どんな活動があるの?
士会にしても協会にしても,さまざまな局や部から構成されており,局や部によって活動内容は仕事内容もさまざまです.
事務的なところでいうとマニュアルや内規を整備するような活動から,ホームページの更新,会員対象の調査,広報誌の作成などが挙げられます.
学術的なところでいえば研修会・学会の開催などがイメージしやすいでしょうか.
皆様も士会や協会開催の研修会に参加したことがあると思いますが,1つの研修会を開催するだけでもさまざまな手続きが必要です.特に昨今は個人情報の保護であったり,マニュアルに沿った研修会運営であったり,以前より研修会開催の規定も細かく,そして厳しくなっておりますので,仕事も煩雑なものとなっております.
会員の会費を使って運営をしているわけですので,正しくそして厳しく規定に沿って活動をしていくのは当然なわけですが…これが学会開催となりますとますます大変です.
2年前から準備を進めて,何回も準備委員会を開催してと準備にもかなりの労力を要します.
デメリットは?
デメリットしかないとお考えの方も多いと思いますので,デメリットは上げやすいですが,基本的には士会活動とか協会活動というのはボランティアです.
夜遅くまで会議が開催されても,交通費しか支給されない場合も少なくありません.
お弁当が出れば良いとこでしょうか(協会の会議等は最近はわずかばかりではありますが日当がつく場合もあるようです).
休日を返上して研修会や学会準備を行わなければならないこともありますし,せっかく話を聞きたい講師を呼んで研修会を開催したのに,準備に追われて研修会は半分くらいしか聴講できなかったといった場合もあるわけです.
こんなデメリットばかり聞くとやりたいと思う方はいないと思います.
メリットは?
メリットって考えるのが難しいですが,まずはよく挙げられるところで申しますと,他の施設の理学療法士とのつながりができるというところでしょうか?
どうしても職場だけで仕事をしていると,職場の中での当たり前に支配されてしまって,世間一般で職場の中の理学療法がどうなのかが全く見えません.
井の中の蛙なわけです.
研修会や学会に参加すれば,このあたりの井の中の蛙感はある程度解消されるわけですが,そんな踏み込んだ話まではできません.
士会活動を通じてコミュニケーションが図れるようになれば,見識も広がることは間違いありません.
また士会活動や協会活動を続けていると,士会主催または協会主催の研修会で講師を務めさせてもらえることもあります.
専門理学療法士の取得については以前もご紹介いたしましたが,取得に当たっては教育ポイントの取得が必要となります.
私自身は専門理学療法士の取得における最も高いハードルは原著論文のアクセプトと教育ポイントの取得だと考えております.よっぽど秀でた得意分野が無い限り士会主催または協会主催の研修会で講師を務めることは難しいわけですが,新人教育プログラムにおける講師でも教育ポイントの取得は可能なのです.
この新人教育プログラムの講師というのは既にスライドと資料が与えられておりますので,誰でもというと語弊がありますが,比較的負担無く講師の役割を果たすことができ,同時に教育ポイントを取得できるわけです.
また研修会運営というのは大変ではありますが,自分が講演を聞きたい講師を研修会に招くということもできます.懇親会等を通じて有名講師の先生のお話を聞けるというのは,1つのメリットになるのではないでしょうか?
さらに私自身は士会活動・協会活動を通じてできた人間関係の中から,病院主催の研修会や他士会主催の研修会の講師をさせていただいたこともあります.
士会活動・協会活動は煩雑で大変ではありますが,その活動の中を通じて自分の活動の幅が広がっているのを肌で実感します.
今回は士会活動・協会活動について考えてみました.
もう少しメリットを挙げたかったのですがなかなか…
職場の上司に依頼されて士会活動・協会活動をされている方も少なくないと思います.
誰かがやらなければならない仕事ではありますので,自分なりに成長できるチャンスを見つけながら士会活動・協会活動に取り組めるとよいですね.
コメント