理学療法士・作業療法士を対象とした研修会の選び方

働き方
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以前に比較しても理学療法士・作業療法士を対象とした研修会・セミナーは増えております.

私が入職した15年ほど前までは,研修会といっても協会や県士会が主催する者がほとんどだったわけですが,今や民間団体や個人が主催する者も含めれば全国各地で週末にかなりの研修会が開催されております.

今回は研修会を選択する上でのポイントについて考えてみたいと思います.

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目次

 研修会増加の現状 

ここ数年,全国各地で週末に様々な研修会が開催されております.

協会や県士会が開催される研修会も以前より増えているわけですが,ここ最近は研修会開催をビジネスとしている団体も多く見受けられます.

理学療法士・作業療法士の増加を追うように,研修会は増え続けているわけですが,中には受講料よりもさらに高い交通費を払って研修会に参加される方も少なくありません.

理学療法士・作業療法士って本当に勉強熱心な方が多いなと思う一方で,情報の氾濫が情報の質の低下も招いている側面は否めません.

研修会に参加した場合には,さまざまな情報が得られるわけですが,研修会の中で有益な情報のみを吸収することができれば良いわけですが,全てを鵜呑みにしてしまう,経験年数の浅い理学療法士・作業療法士も少なくないわけです.

 

 

 

 

 勧められない研修会の特徴とは? 

同じ講師の研修会に複数回参加される方も少なくないと思いますが,場合によっては同じ講師の研修会に参加しても,参加するたびに内容が大きく変わる場合もあります.

受講者の立場からすれば,新しい話が聞けると得をした気分になるわけですし,少しずつ内容がブラッシュアップされるというのは良いことなわけですが,同様のテーマで話の内容,特に重要なポイントが何の根拠もなくころころ変わるのは,講師自身も考えが固まっていないということを示唆するものなのかもしれません.

 

研修会資料の中に全く引用が無い研修会にも注意が必要です.引用が無いということは,研修会内容に客観的な根拠が無い場合が多いわけです.

また全ての日本語の論文や教科書からしか引用がない場合にも,研修会の質を疑ってみる必要があります.1つのことを調べていくと,通常は英語論文から情報を得る作業にぶち当たります.

誤解が無いようにしていただきたいのは,決して英語論文の方が日本語論文よりも優れているというわけではありません.

しかしながら日本語圏で仕事をしている理学療法士の数というのは,たかがしれておりますので,多くの情報を調べるためには英語論文を抄読せざるを得ないわけです.

英語論文の方が優れているというわけではありませんが,英語論文の数が圧倒的に多いわけですので,必然的に有用な情報も多くなるわけです.

 

 

実際のクライアントが出てこない研修会も疑った方が良いでしょう.

有益な評価や治療法の真偽を確認できるのは臨床現場でしかありませんので,空理空論ではなく,実際にクライアントを対象に効果が確認されていない理論は,私であれば信じることはできません.

 

 

こういった研修会が比較的多いのですが,ひたすら他人の論文をレビューしたような研修会です.

「巨人の上に立つ」という言葉がありますが,われわれは先人が成した仕事の恩恵を受けておりますので,先人達のデータを大いに活用すべきですが,その分野の第一任者の講師であれば少なくともその分野で研究を行い,何かしらの原著論文を書いているはずです.

自身の研究結果が全く無く, 人から借りてきた知識の羅列だけでは説得力もありませんよね.

 

 

最終的には自分がクライアントであったら,もしくは自分の家族を講師に診てもらいたいと思うかどうかといった点です.これは何の客観的な根拠があるものではありませんが,本当に困った時に信じて頼りたいと思えない人がクライアントの信頼を得られるはずはなく,ゆえによい治療者であるはずもありません.

 

ファンクショナルセラピー「FSTT(機能的軟部組織の変容)」セミナー【フルセット】[理学療法 ME165-S 全10巻]

以前の記事でもご紹介いたしましたが,研修会の増加によって,研修会の質を見極められない若い理学療法士・作業療法士が,安い給料の中から高額な研修費を支払って,一種のビジネスが成り立っている状況があります.

中には人生の方向性を変えるような講師に出会えることもあるのでしょうが,若い理学療法士・作業療法士の方々はこれを機会に,改めて研修会の費用対効果を見直し,高額な研修費を支払ってでも参加する価値のある研修会かをきちんと考えてほしいと思います.

 

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