Active SLRを使用した体幹の筋機能評価

理学療法評価

 Active SLRを使用した体幹の筋機能評価 

SLRといえば理学療法士によって大腿四頭筋の筋力トレーニングの1つとして古くから行われてきたトレーニングの1つです.

以前このブログの中でもなぜSLRが最近トレーニングとして用いられなくなってきているのかについてご紹介させていただきました.

 

理学療法士の視点で下肢伸展挙上(SLR)はなぜ行われなくなったのかを考える
下肢伸展挙上(SLR)と言えば,変形性膝関節症例をはじめとする膝関節疾患のクライアントに対して大腿四頭筋トレーニングとして用いられてきました.しかし最近では下肢伸展挙上(SLR)に対して否定的な意見も少なくありません. 今回は理学療法士の視点で下肢伸展挙上(SLR)を用いた筋力トレーニングについて考えてみたいと思います.

 

今回はこのSLR運動を使った体幹筋の筋機能評価についてご紹介させていただきます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 理学療法評価における体幹筋機能評価 

理学療法士であれば誰しもがクライアントの基本的動作能力の向上や日常生活動作能力の獲得に体幹機能が重要であることを認識されていることと思います.

ただし体幹機能ってどのように評価するのかが非常に難しいです.

例えば体幹屈曲筋群や体幹伸展筋群のMMTを測定したとしても,それはおそらく基本的動作や日常生活動作の中で必要な体幹機能とは異なるもので,MMTを行っても体幹機能を評価することは困難です.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 理学療法評価としての体幹機能評価 

理学療法評価の中にも体幹機能を評価する方法というのは過去に多く報告されております.

例えば脳卒中片麻痺例に用いられることの多いTrunk Impairment Scale(TIS),Functional Assessment for Control of Trunk(FACT),Trunk control Test(TCT)なんかは体幹機能評価法の代表的なものです.

ただ実際にはこれらの評価ってあまり用いられていないというのが現状だと思います.

評価項目も多いですし,少なくとも体幹機能評価のgold standardにはなっていないのが実際だと思います.

実はこれらのテストというのは,体幹機能が低下しているかどうかを見極めるためには有用ですが,評価を行っても体幹の特に度の機能が低下しているのかは明らかになりません.

点数化され,定量化できるといった利点はありますが,臨床向きではないということになります.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 体幹機能評価としてのactive SLR test 

臨床で簡単に体幹機能を評価する方法としてactive SLR testが使用されることが多くなってきております.

active SLR test というのはその名の通り,背臥位姿勢で自動運動にて下肢伸展挙上を行って,その際の体幹機能を評価する方法です.

active SLR testは20~30°下肢を挙上し,その際の骨盤の運動を観察することで,どの体幹機能が低下しているのかを判断します.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 方法1.片足ずつ下肢をゆっくりと挙上する 

理学療法士は,クライアントがゆっくりと下肢を挙上した際に,骨盤に代償運動(特に骨盤後傾運動や骨盤後方回旋運動)が出現しないかどうかを観察することが重要です.

また左右差を確認することが重要です.

骨盤後傾運動や骨盤後方回旋運動といった骨盤の代償運動が出現する場合には,体幹の機能低下(腰椎骨盤の安定性低下)が疑われます.

合わせて踵が床から離れる瞬間の下肢の主観的な重量感をクライアントに聴取することで,外観上では判断しにくい左右の体幹機能の差を評価することが可能となります.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 方法2.両側の上前腸骨棘(ASIS)を圧迫して行う 

次に両側の上前腸骨棘を理学療法士が両手で中枢側へ圧迫し,この際の骨盤後傾運動や骨盤後方回旋運動といった骨盤の代償運動の変化や,クライアント自身の下肢の挙上しやすさを確認します.

仮に両側の上前腸骨棘(ASIS)を圧迫した際に,骨盤後傾運動や骨盤後方回旋運動といった骨盤の代償運動が軽減されるまたは消失する場合や,クライアントが下肢を挙上しやすくなった場合には,腹横筋や内腹斜筋といった体幹腹側の筋機能低下が疑われます.

理学療法士が両側のASISを圧迫することで,腹横筋および内腹斜筋の働きを補助することになりますので,これで下肢を挙上しやすくなるということは,腹横筋や内腹斜筋の筋機能が低下していると判断できます.

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 方法3.両側の上後腸骨棘(PSIS)を圧迫して行う 

さらに徒手で両側のPSISを理学療法士が中枢方向へ圧迫し,この際の骨盤後傾運動や骨盤後方回旋運動といった骨盤の代償運動の変化や,クライアント自身の下肢の挙上しやすさを確認します.

仮に両側の上後腸骨棘(PSIS)を圧迫した際に,骨盤後傾運動や骨盤後方回旋運動といった骨盤の代償運動が軽減されるまたは消失する場合や,クライアントが下肢を挙上しやすくなった場合には,多裂筋や胸腰筋膜といった体幹背側の筋機能低下が疑われます.

理学療法士が両側のPSISを圧迫することで,多裂筋および胸腰筋膜の働きを補助することになりますので,これで下肢を挙上しやすくなるということは,多裂筋や胸腰筋膜の筋機能が低下していると判断できます.

 

この方法1~3を,まず体幹機能に問題があるのか,問題があるとすれば問題があるのは左右どちらか,問題があるとすれば問題となる体幹筋の中でも腹側・背側のどちらに問題があるのか,あるいは腹側・背側ともに問題があるのかを評価することが可能となります.

 

今回はこのSLR運動を使った体幹筋の筋機能評価についてご紹介させていただきました.

今回ご紹介いたしましたactive SLRを使用した体幹筋機能評価法はトレーニングとしても用いることが可能です.

SLRは昨今,下肢の筋力トレーニングとしては微妙な位置づけとなってきておりますが,体幹筋の機能評価やトレーニングとして生かせる運動だと思います.

皆様もクライアントの体幹機能評価に使ってみてください.

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