理学療法士が知っておくべき踵骨骨折の受傷機転と分類

投稿者: | 2018年11月12日

 踵骨骨折の受傷機転と分類 

踵骨骨折というのはそんなに多い骨折ではありませんが,二次救急・三次救急を担う医療機関に勤務していれば,年に数例は担当することのある疾患群であると思われます.

踵骨骨折の整形外科治療は大きく保存療法と手術療法に分類されますが,骨折の分類によっても大きく経過が異なりますので,理学療法を行う上でも骨折の分類を整理しておくことが重要となります.

今回は踵骨骨折の受傷機転と分類についてご紹介させていただきます.

 

 

 

 踵骨骨折の受傷機転 

踵骨骨折の多くは,高所からの墜落・転落が原因で生じます.

腰椎圧迫骨折・骨盤骨折などの複合骨折を伴う場合も多く,高所になればなるほど多発骨折となる可能性は高くなります.

また両側受傷例も少なくないのが特徴です.

骨粗髭症を伴う高齢者においては,高所からの転落に限らず転倒や階段を踏み外した際に受傷することもあります.

踵部を接地して歩行ができない状態で来院した場合には,まず踵骨骨折を疑うべきです.

踵骨骨折は,全骨折のl~2%を占めており,足根骨骨折の中では最も頻度が高い骨折となります.

 

 

 

 

 踵骨骨折の分類 

踵骨は,複雑な構造をしており立体的に把握することが難しいといった特徴があります.

また踵骨は多くが海綿骨から構成され骨折型も複雑になりやすいといった特徴があり,外側骨皮質の膨隆などの変形治癒,扁平足,外側部痛を主とした不整地歩行時の疼痛の残存といった問題が残存しやすく,治療困難な骨折の一つです.

したがって理学療法評価および治療を行う場合には,踵骨の正常な構造を理解した上で,骨折の状態を正確に把握することが重要となります.

踵骨骨折の分類方法はさまざまな分類が報告されておりますが,まずは関節内骨折関節外骨折かに分類することが重要です.

関節内骨折・関節外骨折を分類するためには後距踵関節に骨折線が入るか否かをみることが重要です.

 

 

関節外骨折は腱または靭帯などの軟部組織の過度な牽引応力によって起こることが多く,転倒時に強く踏ん張った際,アキレス腱付着部に起こる踵骨隆起裂離骨折が頻度の高い関節外骨折として挙げられます.

関節内骨折の分類としてはEssex-Lopresti分類(エセックス・ロプレスティ分類)が有名です.

Essex-Lopresti(エセックスーロプレステイ)の分類は,距踵関節の転位の機序から分類(舌状型・陥没型)する方法で,現在のところ最も標準的な分類方法であると考えられます.

 

 

舌状型は踵骨隆起と後距踵関節が一体となって骨折するといった特徴があります.舌状型骨折の場合は,足底面に対して垂直に外力が作用した場合に起こりやすく,関節面の適合は比較的良好です.

 

一方で陥没型は後距踵関節面の一部もしくは全部が踵骨隆起とは独立して骨折するといった特徴があります.陥没型は後距踵関節面に対して垂直に外力が作用した場合に起こりやすく,関節面は陥没しやすく適合性が得られにくいといった特徴があります.

 

高所からの転落では,受傷時に垂直方向の外力が脛骨から距骨に伝達され,距骨外側突起が斧のように踵骨を折るような力が加わります.そのため舌状型や陥没型の骨折が非常に多いわけです.

 

 

 

 

 踵骨骨折といえばBohler角 

踵骨骨折といえばBohler角といってもいいほど,Bohler角は踵骨骨折におけるX線を診る上では重要です.

 

 

 

単純X線像で踵骨前方関節面の頂点から後距骨関節面後端に引いた線と踵骨隆起上面から後距骨関節面後端に引いた線の交わる角度をBohler角とよびます.

踵骨骨折後にはBohler角が減少するのが一般的であり,Bohler角減少が大きい症例ほど荷重時の疼痛が遺残しやすいといった特徴があります.

骨折型によっても整形外科的な治療方法も異なりますので,理学療法士も当然ながら骨折型の特徴を把握しておくことが重要です.

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