これは必見!サルコペニアの新基準

投稿者: | 2018年10月14日

2018年10月12日のAge AgingにEWGSOP2のサルコペニアのコンセンサス論文が公開されました.

これまでの基準からの変更点も多く,理学療法士・作業療法士であれば確実に押さえておきたいところですので,今回は新しいEWGSOP2のサルコペニアの基準についてご紹介したいと思います.

 

栄養・運動で予防するサルコペニア新版 サルコペニア診療ガイドライン2017年度版準拠 [ 葛谷雅文 ]

 

 新基準における診断までのアルゴリズム 

 

 

 症例発見 

新基準ではこのような流れでサルコペニアを行っていきます.

はじめにサルコペニアを診断するための検査を実施する前に,サルコペニア症例を発見するために,サルコペニアの自記式スクリーニングとしてSARC-Fの質問紙票の使用が推奨されております.

SARC-Fは5項目で構成され,感度は軽中度,特異度は高いことが明らかにされております.

また臨床診療では,クライアントによってがサルコペニアの症状または徴候(転倒しやすくなった,虚弱になったと感じる,歩くのが遅くなった,椅子から立ち上がりにくくなった,体重が短期間で著しく減少した)の訴えがあってから,サルコペニアを疑ってさまざまな検査を行うといったケースが少なくありませんので,症例発見に関してはSARC-Fによる評価のみならず,臨床兆候も有用な情報となります.

 

 

 評価 

上記のSARC-Fで陽性またはサルコペニアを疑う臨床兆候があれば,サルコペニアと診断するための評価を行っていきます.

はじめに筋力評価を行うことが推奨されておりますが,筋力評価には握力または椅子立ち上がりテストを使用します.カットオフ値も明らかにされておりまして,握力は男性で27㎏未満,女性で16㎏未満,椅子立ち上がりテストは5回で15秒以上をカットオフ値としております.

握力または椅子立ち上がりテストでカットオフ値未満であれば,Probable Sarcopenia(サルコペニアの可能性がある,サルコペニア疑い)と診断されます.

 

 確定診断 

筋力評価において握力または椅子立ち上がりテストがカットオフ値未満であれば,確定診断をするために,次に筋量または筋の質的評価を行います.

筋量についてはDXAやBIAを使用して測定した筋量が用いられますが,身長の2乗で除した骨格筋指数で男性7.0 kg/m2未満、女性6.0 kg/m2未満がカットオフ値とされておりますが,筋の質的評価についてはカットオフ値が示されておりませんので,筋力低下に筋量低下が加わればサルコペニアといった確定診断ができることになります.

つまり筋力低下だけで筋力低下が無ければProbable Sarcopenia,筋力低下に加えて筋量低下があればサルコペニアということになります.以前の記事ではこのあたりが曖昧でしたが,今回の基準でこのあたりがはっきりしましたね.

 

 重症度診断 

最後にサルコペニアと診断されたクライアントに関しては,重症度の診断を行います.

重症度の診断は身体機能によって行う流れとなっております.重症度診断における身体機能評価には,歩行速度SPPBTUG・400m歩行テストを用います.

400m歩行テストを除いては本邦でも使用頻度が高い評価ばかりですね.カットオフ値に関しては歩行速度で0.8 m/s以下,SPPBで8点以下,TUGで20秒以上,400m歩行テスで400m歩行不可もしくは6分間以上とされております.

 

 どこが変わったの? 

まずはサルコペニアの定義ですが,「サルコペニアとは進行性,全身性に生じる骨格筋疾患で,転倒,骨折,身体障害および死亡率といった有害な転帰の可能性増加と関連する」とされており,サルコペニアは高齢者に生じるものではないことを示唆する定義となっております.

また最も大きいのはサルコペニアの診断に身体機能低下が必須ではなくなった点です.これまでは筋力・筋量の低下に加え,身体機能低下がサルコペニアの基準であったわけですが,身体機能低下は必須ではなくなりました.

筋肉量か?筋力か?~サルコペニアとダイナペニア~

また「筋力低下」のみでProbableサルコペニア「筋力低下+筋肉量減少」でサルコペニア「筋力低下+筋量低下+身体機能低下」で重症サルコペニアと診断するといったことが明確にされた点も大きな変化です.

さらに身体機能の評価には,これまで用いられていた歩行速度だけでなくSPPB,TUG,400m歩行が追加された点も非常に大きな変化です.

 

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参考文献
1)Alfonso J Cruz-Jentoft, et al: Sarcopenia: revised European consensus on definition and diagnosis. Age Aging, 2018

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