臨床実習が始まると緊張の中,1日かけて実習を行うと自宅に帰ったらぐったりと実習中における疲労感も大きいものです.自宅でもデイリーノートの作成や場合によっては症例報告書の作成などに追われることになりますので,できるだけ実習前にしっかりと準備をしておくことが重要となります.今回は実習前の準備について考えてみたいと思います.
目次
実習前準備は1日では間に合いません
実習に持参する持ち物や荷物に関しては,自分なりにチェックリストを作成し,余裕をもって準備をすることが重要です.最低でも1週間前には物品を買いそろえておくことが重要です.前日の夜になってから確認したのでは,仮に不足している物があったとしても,もう間に合いません.遠方での実習先の場合には,引っ越しも必要になりますので,荷物の量もそれなりになるでしょう.
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何を準備したらいいの?
多めの下着
宿泊が必要な場合には下着を多めに準備しておくことが重要です.洗濯する余裕がない場合も考えて,下着は多めに準備しておくことが重要です.
実習時に着る白衣・ジャージ・ポロシャツ・靴下・カーディガン等
白衣はきちんとクリーニングをかけておきましょう.初日からよれよれの白衣を着ているとやはり印象としてはよくありません.
スーツ
実習施設にもよりますが初日と最終日にはスーツを着用する必要がある場合もあります.実習初日や最終日にスーツを着用する必要があるかどうかは,事前に実習指導者に確認するとよいでしょう.
実習靴
基本的には白で清潔なものを準備します.学校指定の場合もありますが,実習ではかなりの距離を移動しますし,動作介助などもあるのでランニングシューズがおすすめです.
筆記用具(メモ帳・3色ボールペン・シャープペンシル・消しゴム)
介助時に邪魔にならないよう,メモは小さめのものを用意し,黒ボールペン1本と一緒に白衣のポケットに入れておくとよいでしょう.3色ボールペンや予備のメモなどは,検査用具などと共に小さなソフトケースに入れ,必要に応じて持ち歩くと便利です.病院での記録には基本的にはボールペンを使用しますが,シャープペンシルや消しゴムは書類などの作成時の下書きに使用することもあるので,シャープペンシルも1本は準備しておくとよいでしょう.
文房具(ホチキスと針・クリップ・穴あけパンチ・バインダー)
レポート作成時に必要なものを前もって考え準備します.バインダーはベッドサイドでの評価時にも使えるので便利です.クリアファイルも数枚用意しておけば,提出物を提出する際に役に立ちます.
ネームプレート
学校から支給されると思いますので,記入漏れがないようにしましょう.
検査用具一式(ゴニオメーター・打腱器・メジャー・ストップウォッチ・長谷川式認知機能検査の評価用紙や線2等分試験用紙などの様式)
検査用具に関しては,何を持参すべきかは,事前に臨床実習指導者に電話をかける際に相談しましょう.検査機器に関しては全てをポケットに入れてしまうと,動きにくくなってしまいますので,使用頻度の高い機器をポケットに入れておいて,その他は鞄に入れておくとよいでしょう.
学校から実習先への持参を指示されているもの
実習の手引きや学生評価表など,学校から実習先への持参を指示されているものを持っていきましょう.特に学校から指定された書類関係については,実習指導者も十分に把握していない場合もありますので,実習の手引きを参考に,最終的にどの書類に押印をもらわないといけないかを考えておく必要があります.
印鑑
書類に押印が必要な場合があったり,訂正する際に使うことがありますので用意が必要です.
財布・携帯電話・保険証・定期券
忘れがちですが長期間の実習では慣れない生活で体調を崩すことが多いので,保険証は持参しておいた方が良いでしょう.
本や資料(疾患や検査測定に関する資料)
実習の段階や担当患者さんによって必要な資料は変化しますが,自宅にはできるだけ多くの書籍があると安心です.ただ実習施設に鞄をパンパンにしてまで書籍をたくさん持っていく必要はありません.通常の実習では書籍をゆっくり読む時間は無いと考えた方がよいでしょう.実習施設にはポケットサイズのものを必要なものだけ持っていきましょう.
バソコン・デジカメ・保存用US・プリンター・プリンターのインク・印刷用紙
プリンタのインクは予備を1本ずつ用意しましょう.特に黒インクは使用量も多いので3~4本用意しておいた方がよいでしょう.A4用紙は500枚×2セット用意しておくと安心です.実習先によってはこういったOA機器が販売されているところが無い場合もありますので,事前に必ず準備しておきましょう.プリンタのインク等はコンビニに販売されていても,プリンタの型式に合ったものを見つけられない場合も少なくありません.またパソコンが故障した時のために,データはUSBにも時々保存するようにしましょう.プリンタの故障も実習中に多いトラブルの1つです.実習前にクリーニングを済ませておくことも重要です.最近ではプリンタが故障した場合には,PDF形式でファイルを保存すれば,コンビニでも印刷ができますので,近隣のコンビニの場所や印刷の方法等を事前に確認しておくことをお勧めします.
目覚まし時計
スマホの目覚ましだけでは不安ですので,合わせて目覚まし時計を使用しましょう.
食事関係
時間が無い時のためにレトルト食品やインスタント食品も用意しておくとよいでしょう.
事前に調べておいた方が良い事項
実習先までの移動方法,所要時間
可能であれば実習1日前には住んでいる場所から実習先までの移動方法について確認しましょう.長い実習の場合には,電車やバスの定期券を購入することも必要かもしれません.ラッシュや事故などにより交通機関の乱れが発生し,予定より時間がかかる場合も想定して,集合時間の30分前には到着するようにスケジュールを組みましょう.ちなみに電車やバスなどを利用している時間は,課題を完成させたり睡眠を補えたりと案外使えます.最近は通学・通勤中もスマホゲームばかりをしている方も多いですが,こういった時間を大切にすることも実習を施行させる上で重要です.実習地によっては自転車や自転車で通ってもいい施設もあります,臨床実習指導者へ移動方法については相談しましょう.養成校によっては自動車移動に関しては許可証が必要な場合も少なくないと思いますので,事前に許可証を提出しておくとともに,駐車場・駐輪場の場所も確認しておく必要があります.
実習先・養成校の電話番号
緊急時のために携帯電話には必ず実習施設の電話番号や養成校の電話番号を登録しておきましょう.携帯電話・スマホは紛失や故障の可能性もありますので,念のため紙にも控えておいて,財布にメモ用紙をしのばせておくとよいでしょう.
宿泊先及び滞在先の周囲の店を調査
余力があれば,宿泊先・滞在先の周囲にあって簡単に食事がとれる店や,文房具などの日用品が手に入る店,コンビニエンスストアなどをチェックしておくとよいでしょう.
以上,実習前の準備について考えてみました.今回ご紹介したように準備するものというのは非常に多いので,1週間前には準備が終了しているように,早めに準備にとりかかりましょう.備えあれば憂い無しです.それでなくとも忙しく,ストレスの多い臨床実習です.快適に実習が遅れるように事前準備をしっかり行っておけば,実習を快適に送ることができるでしょう.実習前準備を制する者は実習を制するといったわけです.
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