脛骨近位端骨折の分類と手術療法

投稿者: | 2018年8月18日

一般的に,下腿近位端骨折の分類としてはAO分類やが用いられますが,脛骨近位端骨折の分類としては,Hohl (ホール)の分類Schatzker分類が用いられます.古典的な分類としてはHohlの分類が有名ですが,最近はSchatzkerの分類の使用が増えております.

Hohlの分類は,Ⅰ:非転位型,Ⅱ:局部的陥没型,Ⅲ:分裂陥没型,Ⅳ:全面的陥没型,Ⅴ:粉砕型に分類されており, その頻度は, 非転位型24%, 局部的陥没型26%,分裂陥没型26%,全面的陥没型11%,粉砕型10%となっております.

 

Schatzkerの分類はIからⅥ型に分類され,受傷機転や軟部組織損傷の把握が容易であり,治療法や予後の判定にも優れています.

 

脛骨近位端骨折の治療方針

脛骨近位端骨折例の治療方針は非転位型か転位型か,陥没の程度で決定されます.一般的には非転位型は保存療法になる場合が多く,転位型に関しては骨折部の転位や関節面の陥没が5mm以上ある場合には手術療法の適応となります.陥没が5mm未満であれば,非転位型同様の保存療法が行われます.

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脛骨近位端骨折は半月板損傷を合併しやすいので,半月板損傷を合併していれば,同時に半月板縫合術や半月板切除術が行われます.さらに靱帯損傷を合併していれば靱帯再建術が施行されます.

手術療法としてはプレート,スクリュー,髄内釘,創外固定による骨接合術が行われます.脛骨近位端骨折の多くは関節内骨折で,適正な大腿骨と脛骨のアライメントの獲得のために関節面の正確な整復と固定が重要となります.どの程度正確に整復が行われたかによって手術がうまくいったかどうかが決まるといっても過言ではありません.そのため整復の確認には透視だけでなく,関節鏡視下にて行われることもあります.さらに骨欠損がある場合には,骨移植が行われることもあります.下肢アライメントに異常をきたす場合には,膝関節の機能障害が残存するばかりでなく,二次的な変形性膝関節症に発展することもあります.

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骨折の診断にはX線の他にCTやMRIが使用され,骨折の程度や軟部組織損傷の有無を判断します.術後は固定性が良好であれば,早期より膝関節の可動域練習が可能となります.

 

脛骨近位端骨折例のリハビリテーションの流れ

脛骨近位端骨折例の保存療法では,膝関節運動の開始まで3~4週間のギプス固定がなされます.荷重についても8~12週の免荷期間を要することが多いです.手術療法後も不安定性が強い場合には,外固定が行われることが多いです.術後の荷重スケジュールについては,骨折部位や軟部組織の合併損傷の程度やそれに対する外科的処置内容に応じて異なりますが,6週以上の免荷期間が必要となります.

今回は脛骨近位端骨折の分類と手術療法についてご紹介いたしました.理学療法を行う上でも骨折の分類はもちろん靭帯損傷や半月板損傷の有無を確認することが非常に重要となります.また整復の状況によっても脛骨大腿関節のアライメントが変化しますのでX線で整復後のアライメントを確認することが重要です.

参考文献

1)Hohl M : Tibial condylar fractures. J Bone Joint Surg Am 49: 1455-1467, 1967
2)Markhardt BK, et al: Schatzker classification of tibial plateau fractures : use of CT and MR imaging improves assessment. Radiographics 29: 585-597, 2009

 

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