脳卒中治療ガイドライン2021(仮)の原稿案公開 リハビリテーションにおける機能障害,活動制限,参加制約の評価

脳卒中
スポンサーリンク
スポンサーリンク

目次

脳卒中治療ガイドライン2021(仮)の原稿案公開 リハビリテーションにおける機能障害,活動制限,参加制約の評価

先日,脳卒中治療ガイドライン2021年の原稿案が公開され,パブリックコメントが募集されております.

この新しい脳卒中治療ガイドライン2021ではリハビリテーションに関連する項目も多く,理学療法士・作業療法士にとっても必見の内容となっております.

今回は原稿案が公開された脳卒中治療ガイドライン2021の中からリハビリテーションに関連した機能障害,活動制限,参加制約の評価について考えてみたいと思います.

Scale, Diet, Fat, Health, Tape, Weight, Healthy, Loss

 

 

 

 

 

 

脳卒中治療ガイドライン2021における機能障害,活動制限,参加制約の評価

脳卒中治療ガイドライン2021では機能障害,活動制限,参加制約の評価として以下のように記載がなされております.

 

汎用され,信頼性・妥当性が検証されている以下の評価尺度を用いることが勧められる(一部抜粋).

 

機能障害の評価(総合評価)

まずは機能障害の評価ですが,総合評価と運動麻痺の評価,痙縮の評価に分類がなされております.

総合評価については以下の評価が挙げられております.

Fugl-Meyer Assessment (FMA)

NationalInstitute ofHealth StrokeScale (NIHSS)

Stroke Impairmentssessment Set(SIAS)

脳卒中重症度スケール(JSS)

総合評価スケールでは,FMAが来ましたね.

FMAは高い信頼性・他評価との比較による妥当性が報告されており,短縮版やコンピューター適応型テスト版も報告されております.

また日本脳卒中学会が中心となって作成したJapan Stroke Scale (JSS)は会議録での検証はありますが,原著論文が少なく追加検証を要すると記載がなされております.

SIASについては信頼性と妥当性の裏付けが整っており,NIHSSについては許容範囲の信頼性,妥当性,DVD 教材の多検者信頼性が報告されていると記載がなされております.

総合評価というとまだまだ施設間で使用する評価のバラツキが多い傾向にありますが,FMA,NIHSS,SIASあたりの妥当性・信頼性が高そうですね.

 

 

 

 

 

 

 

機能障害の評価(運動麻痺)

運動麻痺の評価としてはBrunnstrom Stageが挙げられております.

先日もBrunnstrom Stageについては海外での使用頻度が少ないことを取り上げさせていただきました.

 

Brunnstrom Recovery stageを使っているのは日本の理学療法士・作業療法士くらい? 知らないと恥ずかしいBrunnstrom Recovery stageの誤用
Brunnstrom Recovery stageを使っているのは日本の理学療法士・作業療法士くらい? 知らないと恥ずかしいBrunnstrom Recovery stageの誤用 Brunnstrom Recovery stageといえ...

 

原稿案の中には運動麻痺の尺度として頻用される Brunnstrom Stage を主題とした検証自体が見当たらないが,Brunnstrom Stage の基準が FMA の上肢肩/肘/前腕と下肢股/膝/足の項目に使われているため,FMAの評価法の信頼性・妥当性の高さが Brunnstrom Stageの検証となると記載されており,加えてBrunnstrom StageのSIAS 運動項目との相関の高さも明記されております.

FMAと同様の項目が多いのであれば,本邦でもFMAを使用するのが当たり前になれば話が早い気がしますね.

 

 

 

 

 

 

機能障害の評価(痙縮)

痙縮の評価についてはModified Ashworth Scaleのみが挙げられております.

これは鉄板なので文句なしといったところでしょう.

modified Ashworth Scaleは筋緊張が各種要因で変化しやすいこともあり,信頼性が高いとする報告と,検者間の完全一致はしにくいとする報告に評価が分かれていると記載がなされております.

確かに客観性の低い評価ではありますね.

 

 

 

 

 

 

 

能力低下(ADL)の評価

能力低下の評価としては,Functional Independence Measure (FIM)とBarthel Index(BI)ですね.

これも文句なしでしょう.

BIの高い信頼性,妥当性FIM の高い信頼性,妥当性が報告されており,特にFIM の信頼性は11 研究のメタアナリシスにおいても担保されていると明記されております.

また今回のガイドラインでは診療報酬改定に関わるところでもあるFIM 効率についても明記されております.

どのADL 評価法にも当てはまる内容でありますが,FIM の項目難易度には文化による相違が認められ国際比較をする場合には注意が必要と明記されております.

 

 

 

 

 

 

成果指標

成果指標としてはmodified Rankin Scale (mRS)とGlasgow  outcome scale (GOS)ですね.

不勉強なものでGOSというのは初めて耳にしましたが…

 

今回は原稿案が公開された脳卒中治療ガイドライン2021の中からリハビリテーションに関連した機能障害,活動制限,参加制約の評価について考えてみました.

理学療法士・作業療法士が使用する機能障害や能力障害に関連したスケールってかなりバラツキが大きい印象がありますので,このガイドラインを期に統一されるとよいですよね.

コメント

タイトルとURLをコピーしました