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シルバーカーって呼称が高齢者に不評
理学療法士・作業療法士がシルバーカーを使用して歩行練習を実施することは多いと思います.
ただこの「シルバーカー」って高齢者にウケがよくないことが多いですよね?
特に「シルバーカー」という呼称が高齢者から不評な場合が多いと思います.
今回はシルバーカーって呼称が高齢者に不評だという話です.
そもそも歩行補助具の呼称って統一されていない
理学療法士・作業療法士が歩行トレーニングの際に使用するさまざまな歩行補助具ですが,そもそも呼称が統一されていないことが多いと思います.
歩行器とか歩行車といった用語の使い分けもけっこう曖昧だったりします.
基本的には「歩行器」という大きなカテゴリーの中に,歩行車と狭義の歩行器があるということになると思いますが,このあたりもきちんと整理せずに使用されている理学療法士・作業療法士も多いと思います.
歩行器とシルバーカーの違い
また気になるのは歩行器とシルバーカーの違いです.
そもそもシルバーカーと歩行器ってどうやって見分ければいいの?
最近は一見,シルバーカーのように見えて歩行器の扱いとなる,シルバーカーと歩行器の中間型のタイプのものもありますが,見分けるのも難しかったりします.
歩行器(歩行車)というのは自立歩行が難しい方を対象に作られておりますので,ハンドル部分が身体を囲うように大きくU字型にできているのが特徴です.
歩行器とシルバーカーの違いですが,U字型にできていれば歩行器と考えてよいでしょう.
手の位置が身体に近くなることで体重を支えながら歩くことができます.
シルバーカーのように前傾姿勢にならずに済みますので,体幹・股関節を伸展位に保ったまま歩くことができます.
一方でシルバーカーというのは押し手のハンドル部分が横に真っすぐになっている点が特徴です.
高齢者の受け入れが悪い
老人車とかシルバーカーって呼称はいかにもお年寄り向けの用語ですよね?
自分にはまだ早いとか格好悪いといった印象を持ちやすいのも実際だと思います.
高齢者にとっても導入に対する心理的なハードルが高いものと思われます.
場合によってはシルバーカーと呼称するよりも歩行器やウォーカーの方が高齢者にとっての受け入れがよいかもしれませんね.
高齢者に受け入れてもらうには?
「シルバーカー」って呼び方だと心理的ハードル高い場合が多いので,物品導入する際は「ウォーカー」と呼ぶのが良いと思います.
また押し車という呼称もわかりやすいですし,老人車やシルバーカーに比較すれば好印象だと思います.
もちろん押し車だとかっこよさはありませんけどね.
高齢者の場合には横文字の方が受けが良いことも多いです.
杖よりステッキの方がウケ良かったりしますからね.
最終的にはウォーカーなんていうのが呼称だけで考えるともっとも受け入れが良いでしょうか?
外観の部分も大きいですが最近は男性向けのものや旅行のキャリーバックのようなタイプのものなどさまざまな商品が出ておりますので,高齢者に受け入れてもらいやすいものを理学療法士・作業療法士が提案するということも重要となるでしょう.
今回はシルバーカーって呼称が高齢者に不評だという話でした.
愛車をベンツとかポルシェと呼ぶ高齢者もいたりしますからね.
たかが呼び方ですが,高齢者の自尊心を傷つけること無く歩行補助具を円滑に導入できるような配慮が必要でしょうね.